2011年6月26日日曜日

装備について6(バッグ、服、靴)

装備についてのブログも遂に6回目となりました。今回は、バッグ、服、靴について書きます。


それぞれテーマを分けて書くべきなのでしょうけれども、これらは、体に直接身に着けるものなので、旅の目的はもちろんですが、人によって体の大きさや、好みが違ってくると思います。とやかくお勧めすることはできませんので、選ぶときには、実際に店に足を運び、身に着けて自分に合ったものを探したほうが良いでしょう。


■バッグ

軽量重視のものや、カメラ専用のものなど、バッグはシーンにより使い分けます。
右上が、オスプレーのゼファー。900km徒歩の旅で使用したもの。
上段、右から2番目が、ロウアルパインのラシーマ45。比較的安価だったので購入。海外の旅で使用。
その他、カメラ用のバッグにロウプロのウエストバッグタイプのものを愛用(下段右から2番目)。
上段左から2番目、ブラックダイアモンドのRPMは人気商品で、発売中止となった後も、デッドストック品はもちろん、中古も高値で売買されています。


海外でのバックパックの旅では、宿に荷物を下ろした後の
町歩き用に折りたたみ式の小型バッグが便利。

広げたところ
■服
ベースレイヤー(下着ですね)からアウターまで、あらゆるシーンに適した服をここで考察することはあきらめます。ワンポイントアドバイス的に2、3ご紹介します。

ベースレイヤーには、パタゴニアのキャプリーンを15年以上
使っています。今でこそ、ユニクロでフリースやヒートテックが
安価に手に入るようになりましたが、パタゴニアのキャプリーンは、
冬のスノボや、オートバイツーリングなど、あらゆるシーンで活躍
しました。アウトドアメーカーの化繊下着はどれも高価ですが、
揃える価値はあります。また、アウトドアでは綿の下着は避けた
方が無難でしょう。
これもパタゴニア。信者が多いフーディニフルジップ。
とても軽くて、シャツ一枚では肌寒いときや、小雨の時など
ちょっと羽織りたいときに、常に携帯できるコンパクトさが魅力。
ノースフェイスや、モンベルにこれより軽いものがありますが、
生地がもっと薄かったと思います。
雨具は、最近山歩きを始めてから揃えました。モンベルの
スーパーハイドロブリーズレインウェア(上下セット9,900円)
モンベルの中では最低ライン。予算の都合でこれに決めました。
とにかく雨具は高いです。上下セットで1万円以上のもので
ないと駄目だという話を聞きます。
これはぎりぎりアウトか、ぎりぎりセーフかでしょうね。
モンベル レインスパッツ
バイクに乗る人ならレインウェアのひとつとしてブーツカバー
が必需品になるかと思います。登山用品では、スパッツという
ものがあり、ゴアテックスのブーツと組み合わせることにより
靴を雨や、草木の露から守ったり、靴内への小砂利の進入を
防いだりします。
■靴
900km徒歩の旅では、ウォーキング用の靴を一足購入して、全行程をその一足で歩きました。
海外のバックパックの旅では、大抵はスポーツメーカー製のミドルカットのゴアテックスの靴を選びます。


最近始めた登山では、荷物が10kgと軽量だったため、ゴアテックスのランニングシューズにしましたが、見事両足ともにソールが剥がれ、おかげで足にかなりのダメージを受けました。


今後、登山の回数を増やす予定ですので、トレッキングシューズを買いました。選ぶにあたり、比較的ライトな軽登山用のシューズを何足か試しましたが、どれも心細い印象を拭えませんでした。


最終的に購入したのは、モンベルのハイカットタイプのブーツ、ツオロミーブーツでした。トレッキング用の靴下は、厚手のもので、それとの組み合わせで、安心感をえられたので、同時購入しました。


今は、慣らしで、家の近所で履いて歩いています。来月あたり登山に行く予定!

モンベル ツオロミーブーツ


2011年6月21日火曜日

装備について5(食器)

アウトドアで使う食器には、アルミ、チタン、ステンレス、ホーロー、プラスチックなどがあります。
機能としては、直接火にかけられることと、軽量であることが求められるため、アルミか、チタンの製品が多いです。


以前は、アルミが主流でした。アルミは熱伝導率が高く、調理に適していますが、アルツハイマーになるという風評のせいか、最近ではチタンに主役の座を奪われた感じがあります。


チタンは以前より価格がこなれてきましたが、アルミよりずっと高価です。また熱伝導率が低いので、直接火にかける調理には向いていないと思います。私はよく米を炊きますが、アルミでうまくいっても、チタンでは米と器の底をを焦がすことが多いです。


しかし熱伝導率が低いことはデメリットだけではありません。器やスプーンなどの場合、加熱されにくいので、手や口に触れたときに、火傷しにくいです。他には、金属臭がしないことも好まれる要素の一つかもしれません。ですので、予算が許すのであれば、フォークやスプーン、マグカップは、積極的にチタンを選ぶと良いでしょう。


前回のブログで、調理器具についてご紹介しましたが、何を調理するかによって、道具選びは変わってくるかと思います。荷物を自分で背負って旅や登山をする場合、食事の楽しみを犠牲にしてでも、荷物の軽量化が必要だったり、調理の手間や片付けの手間を省きたい、ゴミも減らしたいなどの理由から、フリーズドライ食品やアルファ米を利用するケースが多くなります。この場合の調理器具と食器には、湯を沸かすという役目さえ果たしてくれれば良いので、器は多くても2つ程用意するだけで良いかもしれません。湯を沸かすだけなら、熱伝導率の低いチタンでも、全く問題ありません。


米を炊く場合は、蓋付きの器が必要です。蒸らしている間などに、汁物などを同時に調理したいでしょうから、他にも湯を沸かすための器が必要になるかと思います。このような場合、ちょっとした器として、シェラカップや、火にかけられるマグカップがあると便利です。


シェラカップ。
飲み物を温めるだけではなく、簡単な調理にも使いやすい形状。

食器類は、収納性能についても良く考えたいです。複数の器を同時に収納できたり、ストーブなど、調理器具や、それらの燃料であるガスカートリッジを収納できるかが、重要なポイントだと思います。


以前のブログで書きましたが、snow peak のチタントレック700に、イワタニプリムスの114ナノストーブ(カートリッジは110型)、snow peakのチタン先割れスプーン(ショート)の組み合わせが、今の私のベストです。しかし、チタントレック700の蓋は、器として使用できないため、追加でチタン製のシェラカップなどがあると、さらに便利かもしれません。


再掲:snow peakチタントレック700に適した組み合わせ

以下、私が今まで使ってきた装備を載せます。販売終了しているものもありますが、お許しください。

左上:snow peak ワッパーコンボ(販売終了品)・・・アルミ
左下:Trangia メスティンS・・・アルミ
右上:evernew チタンクッカー深型L・・・チタン
右下:snow peak チタントレック700・・・チタン

snow peak ワッパーコンボは、これだけの物が効率よく収納できます。
※ストーブとガスカートリッジは別売り。
撮影時の都合で、他社製品のストーブを使用しました。

まず、まな板を底に敷き、スプーン、フォーク、ナイフのセットを置きます。


スプーンとフォークの出っ張りを、ガスカートリッジ底部の凹みに
逃がすという技に感動すら覚えます。
※250型のガスカートリッジが入ります。

チタン製のシェラカップはハンドルが折りたたみ式で、
ガスカートリッジにかぶせるようにして収納します。
ストーブは、イワタニプリムスの2243程度のサイズが入ります。


こちらは、evernewのチタンクッカー深型L
米を炊いて、底が焦げついたままになっています。
最近のモデルには、セラミック加工をしているものもあるようです。
evernewのチタンクッカー深型Lも250型のガスカートリッジと
イワタニプリムスの2243ストーブが入ります。


トランギアのメスティンSは、アルミ製で、比較的安価です。
収納面では、ガスカートリッジが入らないので、
エスビットを入れて、非常用装備にしています。
アルミのスプーンとフォークは「西ドイツ」のユンガー製。
これを知っている人は同世代ですね、きっと。

2011年6月19日日曜日

装備について4(調理器具)

アウトドアの魅力の一つとして、真っ先に炭焼きのバーベキューを思い浮かべる方がいるかも知れませんが、ここで取り上げるのは、そのような大掛かりな器具ではなく、自分で荷物を背負うバックパックの旅や、登山をする際に必要な小型の調理器具をご紹介します。


調理用のストーブ(バーナー、コンロ)に使う燃料は、主に以下のタイプがあります。
1.液体燃料(ホワイトガソリン、レギュラーガソリン、灯油、軽油、アルコールなど)
2.カートリッジタイプのガス
3.固形燃料


それでは、タイプ別に見ていきましょう。


1.液体燃料を使用するもの
【ガソリン】
90年代半ば頃、私がオートバイのツーリングや、バックパックの旅をしていたころですが、ちょっとしたアウトドアブームがありました。当時、オートキャンプが中心だったと思いますが、ホワイトガソリンを使うコールマンのツーバーナーが、調理器具の代名詞のような存在でした。

コールマンは、燃料タンクとバーナー部分が一体になっていて、燃料タンクにポンプで圧力をかけた後に、バルブを開き、燃料を噴出させて点火するのですが、ガソリンストーブとしては、取り扱いが楽で人気がありました。

その頃、私が北海道ツーリングをした時に、当時販売されていた小型のワンバーナータイプの、ピーク1ストーブというモデルがライダーの間で絶大な支持を得ていました。

しかし私は今までガソリンストーブを使ってきませんでした。当時欲しかったのですが、ガスカートリッジタイプのストーブよりも本体価格が高かったことと、重量が重いため、バックパックの旅には不向きであることが理由で、購入しませんでした。

それでも冬山に登る方(ご年配の方ですが…)に聞くと、冬山ではガスカートリッジタイプのストーブでは火力が弱くなってしまうとのことで、ガソリンストーブのオプティマス8Rを永年愛用していると聞きました。私は本格的な冬山に登るわけではありませんが、最近になってガソリンストーブへの興味が湧いてきました。

オプティマス8Rはすでに販売中止(2005年頃)になっていますが、それ以外の主な現行ガソリンストーブを記しておきます。

《タンク一体型》
オプティマス…123Rスベア
コールマン…フェザーストーブ(442-726J)、スポーツスター(508A700J)

《タンク分離型》
オプティマス…Nova、Nova+
プリムス…エクスプレスVFスパイダーストーブ
MSR…ウィスパーライト、ドラゴンフライ、XGK-EX
スノーピーク…ギガパワーWGストーブ
新富士バーナー(SOTO)…MUKAストーブ



【アルコール】
アルコールストーブといえば、大抵の人は真っ先にトランギア(スウェーデン)というメーカーを思い浮かべるはずです。何十年もモデルチェンジを行っていないトランギアですが、それだけに安定した性能を持っているといえます。


しかしアルコールストーブは火力が弱いイメージがありました。トランギアの場合、効率良く、安定した火力を発揮させるために、ストームクッカーという、風防&ゴトクを備えた少々大掛かりなシステムを用意しています。このシステムは、食器も含む魅力あるセットなのですが、一式を揃えると、総重量がかなり重くなってしまいます。


従来はアルコールストーブと言えばトランギアしか無く選択肢が少なかったため、アルコ-ルストーブがあまり選ばれてこなかったのでは無いかと思っています。

しかし最近では、大きく状況が変わりました。EvernewやVargoからチタン製で軽量なものが発売されたり、アルミ缶で自作する方法がネットで広まったり、カーボンフェルトにアルコールを染み込ませて燃焼させるという新たな手法も出てきたりして、アルコールストーブが、一躍流行のストーブの座に返り咲いたのです。


アルコールストーブの再評価により、トランギアタイプのアルコールストーブにも様々なメーカーから軽量のゴトクや風防が用意されるようになり、ますます楽しい状況になっています。


このあたりは、追って詳しく紹介していきましょう。


・・・しかし火力調整が困難な場合が多いので、湯を沸かす用途限定、と考えた方が無難だと思います。



2.カートリッジタイプのガスを使用するもの
私は、お米を炊くことが多く、火力調節をし易いものが必要だったため、ずっとこのタイプのストーブを愛用しています。メーカーはプリムス(スウェーデン)です。


ガスストーブは点火や火力調整の面で扱いやすいことがメリットですが、空のカートリッジがゴミになること、ガスの残量が把握しにくいこと、燃焼中、カートリッジが冷え続けるため、使い続けると火力が落ちること・・・などがデメリットにあげられます。


ガスはカートリッジの規格がメーカーにより違うので、カートリッジが手に入りやすいメーカーが良いと思います。また安全性の問題も考えると、安いなどのメリットがあったとしても怪しいメーカーは避けたいです。どれが良いかと聞かれれば、やはりプリムス(イワタニプリムス)を薦めます。


1995年頃購入したイワタニプリムスIP-2243SWFA
900km徒歩の旅で使用。
写真は、延長ゴトク(2243EXT)や、フレームインジケーター
などのオプションパーツを装着した状態。


私の2代目プリムスは、湯沸し中心で軽量化重視。
この「114ナノストーブ」は、現在のプリムスのラインナップで一番軽いです。

3.固形燃料を使用するもの
固形燃料は、液体燃料と比べると断然取り扱いが楽です。非常用という位置づけのような気がしますが、お湯を沸かす程度であれば、積極的に使用したいですね。ドイツのエスビットというメーカーのものが有名で、私はそれ以外のものを良く知りません。


エスビットのデメリットは“すす”が出て、煙が臭いことでしょうか。


最近では、各社から軽量なゴトクが用意されていますが、アルコールストーブとしての役割を兼ねて設計されているものも多くあり、それらは、アルコール(液体)、エスビット(固形)の両方が使えて利便性が高いです。


開くとゴトクになる金属のケース。中央に燃料を2個置いたところ。
このケースと燃料がセットになったものでも1,000円ちょっと。

最近は、もっと軽量なゴトクが出てきました。これもエスビット社のもの

閉じるとこんな感じでかなり軽量コンパクト


2011年6月18日土曜日

装備について3(テント)

■まずは思い出話から
10代後半、原付免許と自動二輪免許を取得して日帰りでツーリングをするようになりましたが、やがてテント泊のツーリングを計画するようになりました。


最初に購入したのはダンロップのテントで、一人用のR-107というモデルでした。当時のバイク雑誌に広告が載っていたのかもしれません。今から20年近くも前の話です。


ダンロップは、今もテントを作っているようですが、R-107のような形状を引き継ぐモデルは無いようです。R-107と同形状のものに、モンベルのムーンライト1型があり、こちらは今も売られているロングセラー製品です。


これらの構造は、梁のような1本のメインフレームがテント中心を走り、梁からテントの四隅に向かって、4本のフレームを連結させます。四つん這いの格好で屋根を支える・・・・という形状です。切妻屋根みたいな感じですね。


このモデルは、入り口付近に座る事を前提にしているようで、入り口付近の天井は、高さが確保されていますが、足元に向かって天井が低くなるように設計されています。梁は前方、入り口側に余分にせり出しているため、フライシート(※)で覆うと、ちょっとした前室ができます。ここで簡単な調理をしたり(要換気!)、就寝時には、靴などを雨に濡らすことなく置くことができるわけです。


※フライシート・・・2重構造のテントの場合、中は通気性の良い素材を使うことが多く、外には耐水性の素材を使用したフライシートというものをかぶせます。


ダンロップR-107は、その見た目が原因で、北海道ツーリングの仲間からは、「棺桶だ」と揶揄されていましたが、性能としては、雨に強く、足元側にベンチレーション用の窓が付いているため、通気性もそこそこ、それなりにコンパクトだったこともあり、使いやすいテントでした。

ダンロップ R-107
庇のようにフライシートがせり出した前室が雨の日も使いやすい。

R-107のフライシートをはずして後方から撮った図。
足元側では、頭側(入口側)よりも幅は狭く、高さは低くなる。

ダンロップR-107は、ツーリングでよく使用しましたが、900kmの歩きの旅を計画した際には、重量と大きさの問題で選考の対象から外しました。その時購入したのが、アライテントのNewツェルトと、ライズ1でした。


ツェルトとは、緊急避難用に多目的につかえるシートの総称で、大雑把に言うとただの1枚のシートです。テントとして使用する場合、自立しないため、ポールと張り縄を使い、シートを吊って張る必要があります。


ライズ1(商品名)は、テントというよりは、緊急避難用の簡素化された自立式シェルターという位置づけで、雨や浸水、結露に対する対策はなされていません。見た目は、シングルウォール(2重構造でない)テントです。


ビール350mlで大きさを比較
左(黄色)がNewツェルト(625g)とポール(225g)、ペグ(最低8本必要)
右(茶色)がライズ1(690g)、ポール(440g)
注)いずれも現行品はもっと軽いです。特にツェルトは半分以下の重量のものがあります。

設営状態。
奥がアライ ライズ1
手前がアライ Newツェルトにmont-bellのツェルトフライを被せたところ。

最終的に歩きの旅ではライズ1を選択しましたが、真夏だったこともあり、まったく問題は発生しませんでした。平地の旅でしたので、雨が降った時には、雨をしのげる場所を探して設営できることも計算して、耐水性能を求めず、軽量化を優先させる判断をしたわけです。


最近始めた登山で、雨対策は必要と痛感したため、アライテントのエアライズ1を購入しました。


左がライズ1(1995年購入)
右がエアライズ1(2011年購入)


■唐突に結論
たった今書いたとおり、アライテントのエアライズ1が良いでしょう。「なんだ無難すぎるぞ」という非難があるかもしれません。(笑)


構造は、2本のポールを対角線上に弓なりに配置するドーム型テントで、フライシート付きのダブルウォール(2重構造)です。


■それでも検討してみる
唐突に結論を出してしまいましたが、アライテントとモンベルの主なモデルで、重量と価格を比較してみましょう。
※あくまでも一人用テントの話で、厳冬期、極地用は除外します。
※重量は、付属品やスタッフバックをどう考えるかにもより、厳密な比較は困難ですので、下記は私の主観に基づく大雑把な分類としてお考えください。


・2.5kg以内クラス・・・2万円弱
モンベル:クロノスドーム1型、ムーンライト1型

・2.0kg以内クラス・・・3万円台に突入。
モンベル:ステラリッジテント1型(※2011年モデル以前)

・1.5kg以内クラス・・・3万円~6万円
モンベル:X-TREK マイティードーム1型(シングルウォール)、ステラリッジテント1型(※2012年モデル)
アライテント:Xライズ1(シングルウォール)、エアライズ1、トレックライズ0


・1.0kg以内クラス・・・ツェルト(1万円前後)、シェルター(2.5~3.5万円)。
モンベル:
U.L.ツェルト・・・240g+ポール&張り縄250g
ライトツェルト・・・370g+ポール&張り縄250g
U.L.ドームシェルター1型(シングルウォール)・・・780g
アライテント:
スーパーライトツェルト・・・280g+ポール&張り縄225g
ライズ1(シングルウォール)・・・980g


■最後に
シングルウォールは、雨に強くないためシェルターと考えて良いですが、中には耐水&通気性に優れた高級素材を使っているものもあります。それらは軽量化を目的とした場合には有利ですが、高価で選択肢も少ないので、まずは一般的なダブルウォール(2重構造)で検討すると良いでしょう。


自分で背負う旅ならば、ダブルウォールの場合でも1.5kg以内を目指したいですね。値段もまあまあで、オプションの豊富なアライテントのエアライズ1がやはりベストでしょう。(※モンベルのステラリッジテント1型は2012年モデルは、出入り口の位置など、仕様が変わり、400g程軽くなったようです。エアライズ1と同程度になった考えて良いです。)


自転車やオートバイなら、モンベルのクロノスドーム1型や、ムーンライト1型が手ごろで良いかもしれません。


超軽量でストイックな方向を目指すのであれば、シェルターを検討してみると良いでしょう。MSR、Black Diamond、GoLiteなど、海外ブランドも選択肢に加えると良いかもしれません。(多湿な日本に合うかどうかは要検討です。)


ツェルトやシェルターで自立式でないものは、ポールや張り縄に加え、ペグの重量や本数も考える必要があります。最終的に、ポールやペグの代わりは、トレッキングポールを利用したり、木や石ころなどで現地調達・・・という方法に行き着くのかもしれません。


屋根さえあれば眠れる・・・というのであれば、小型軽量のタープを探すことになるでしょう。


■おまけ
Wild-1というアウトドアショップのオリジナルテントに、トレックドーム2というものがあります。価格はなんと9,800円!(2011年6月時点)。形状は、アライテントのエアライズシリーズのようなダブルウォールタイプのドームテントで、内容は悪くないです。120cm幅で一応二人用という設定。ペグと張り縄を含まない重さが1,970gで、総重量は2,270gとのこと。


以下、友人に貸した時の使用レポート。


7月末の雲取山で雷雨に遭いましたが、浸水しなかった…という実績があります。通気性を考慮してか、前後に入り口があるため、寒さには弱いかもしれません。


9月半ばの北岳でも使用しました。日中天気が良く、気温は高めでしたので、寒さは気になりませんでした(寝袋はモンベルのU.L.スーパースパイラルダウンハガー#5を使用)。夜、強風に遭いましたが、なんとか耐えました。


しかし使用にあたっては過信は禁物でしょう。安い物ですので固体差があるかもしれません。実は我々が使用したものも、設置の際にフレームが少し曲がってしまいましたが、そのまま使用しています。リペア用のフレームが付属されていなかった気がするので、他社製のリペア用フレームを探すなど、万が一に備えた対策が必要かもしれません。

Wild-1オリジナル Treck Dome2


2011年6月17日金曜日

装備について2(寝袋)

【材質】
寝袋(シュラフ)の中綿の材質は、ダウンと化繊が主流です。一般的には、ダウンは軽量・コンパクトで保温性が高く、化繊はダウンと同等の暖かさを得ようとすると、ダウンより大きくなります。化繊のメリットは価格が安いことと、速乾性に優れている事ですが、最初はちょっと値段が高くてもダウンを買うことをお勧めします。


【種類】
寝具なので、季節や場所によって使い分ける必要があります。例えばモンベルのラインナップでは、ダウン・化繊ともに、番手によって対応できる気温をチャート化しているためわかりやすいです。
以下のとおりで、数字が小さいほど寒冷地に対応します。


#7(夏用)→ #5→ #3→ #1→ #0(冬用)


・夏用(夏の低い山)…#7
・3シーズン用(夏の高い山、冬の低い山)…#3
・冬用(冬の高い山)…#0


夏の平地のキャンプであれば、夏用の寝袋でも暑くて眠れないかもしれませんし、冬用の寝袋は、冬の寒冷地や、登山目的以外では使わないかもしれません。


使用目的にもよりますが、初めて寝袋を購入する方は、#5か#3あたりを選ぶことになるのではないでしょうか。


私は今まで登山経験がほとんど無いので、冬用を持っていませんし、夏用は持っていても平地ではほとんど使っていません。一方、3シーズン用は、穴が開くほど使っています。


【組み合わせ】
寝袋は、もちろん単体で使用できますが、インナーとシュラフカバーを組み合わせることで、様々なシチュエーションに対応できるようになります。単純に考えると、以下の7通りの組み合わせが可能です。


・インナーのみ
・シュラフカバーのみ※
・インナー+シュラフカバー※
・寝袋のみ
・インナー+寝袋
・寝袋+シュラフカバー
・インナー+寝袋+シュラフカバー


※シュラフカバーによっては単体使用に向いていないものもあります。


シュラフカバーの中には、防水性に優れたものがあるので、テントを使用せずにタープだけで野宿する場合や、ツェルトやシェルターなどの簡易テントを使う場合では、防水性の高いシュラフカバーが必要かもしれません。


寝袋をできるだけ清潔にしておきたい場合は、インナーを使用して、インナーを都度洗濯すると良いでしょう。寝袋の洗濯は浴槽を使用して手洗いしますが、とても大変です。


【重量】
モンベルの宣伝みたいになってしまって恐縮ですが、2011年のモンベルのカタログから、#5のラインナップの重量比較です。あらためて見てみると種類が豊富で驚きました。


ダウンか、化繊か、ダウンの質(800FPか650FPか)や、生地の違いで、同じ#5でもかなりの重量差があります。
ちなみにモンベル製品で、頭にU.L.と付いているものは、ウルトラライトの略で、軽量化を優先したもののようです。


以下、重量の軽い順、


(ダウン)
U.L.スパイラルダウンハガー#5・・・430g
U.L.スーパースパイラルダウンハガー#5・・・460g
スパイラルダウンハガー#5・・・650g
スーパースパイラルダウンハガー#5・・・690g


(化繊)
スパイラルバロウバッグ#5・・・820g
 スーパースパイラルバロウバッグ#5・・・900g
スパイラルホロウバッグ#5・・・1200g
ファミリーバッグ#5・・・1700g


・・・とこんな感じで、同じメーカーで暖かさは同じでも、これだけ重量に差があります。耐久性や価格も考慮しなくてはいけませんが、できるだけ軽量なものを買いたいですね。


【まとめ】
平地や低い山が中心の人は、最初は#5あたりのダウンの寝袋を買って、シュラフカバー、インナーを揃えて温度調節すると良いでしょう。それでも寒いようでしたら、薄手のダウンのインナーやフリースなど、着衣で調節することで、対応できるかもしれません。

左から、
昔新宿の登山用品店で買った、3シーズン用(ダウン) 1.3kg
同じく、夏用(ダウン) 735g
mont-bell スーパースパイラルバロウバッグ#5(化繊) 900g
mont-bell U.L.サーマルシーツ(ダウン) 386g

昔の寝袋は生地やファスナーがごつくて重いなぁ。買い換えたい。


寝袋周辺のもの
左から、(ビール350mlは大きさ比較用)
mont-bell U.L.サーマルシーツ(ダウンのインナー)
mont-bell U.L.スリーピングバッグカバー(ゴアテックスのカバー)
ISUKA ライナー サイドジッパー(化繊のインナー)
ISUKA シュラフシーツ サイドジッパー(木綿のインナー)

モンベルのサーマルシーツは、寝袋の防寒性能を高めるために
寝袋の内側に重ねて使いますが、単体で広げた時には、一枚の
羽毛掛け布団のようになります。



2011年6月16日木曜日

装備について1(マットレス)

装備について、これから数回のブログにて、アイテム別に記していきたいと思います。


まず最初に、何のための装備か。


ここでは、平地での歩きの旅、自転車の旅、オートバイの旅、軽登山・・・といったところについての装備です。私自身、登山経験が無いので、登山に関する情報は、今後少しずつ、経験をつみながら加筆していきたいと思います。


テント泊をする場合、快眠を得るために
揃えておきたいものにマットレスがあります。マットレスには、大きく分けて以下の3タイプがあります。


1.エアーで膨らますタイプ
2.ウレタンとエアーで膨らますタイプ
3.ウレタンのみのタイプ


2のタイプは、エアーを吹き込むバルブを備えており、収納時は中のエアーを押し出した状態でバルブを締めるのでコンパクトになります。使用する際には、バルブを緩めるとウレタンの反撥もあいまって、自動でエアーが入り、ある程度は復元するので、息を吹き込む量は少なくてすみます。


それぞれに特徴がありますが、項目ごとに、順位を示すと・・・
快適さ  2>1>3(好みの問題もあるかも。)
軽さ   1>2>3(メーカーにより異なる。)
収納性 1>2>3
耐久性 3>2>1


メーカーは、ラインナップが豊富なことから、カスケードデザインと、モンベルが良いのではないでしょうか。


特にカスケードデザインのサーマレストProLite(2のタイプ)とサーマレストリッジレスト(3のタイプ)の2種は、信頼できます。リッジレストは、3のタイプにしては、1と2のタイプを凌ぐほどに軽いのが特徴で、ホームセンターなどにある、重くて、薄っぺらのウレタンにアルミを貼っただけのマットレスとは、一線を画します。リッジレストの兄弟みたいなものでZ-Liteというのもあり、最近ではそちらの方が人気があるかもしれません。


私が愛用しているのものもサーマレストで、15年ほど前に、ウルトラライト3/4というモデルを使用しておりました。徒歩の旅や、オートバイのツーリングでたくさん使用したのと、20代に、4年間程一人暮らしをしていましたが、その間、布団を持たず、このマットレスで寝ていました。家の中でもキャンプをしているという状態・・・。


3/4というのは、長さをあらわしており、全身タイプではなく、頭から尻の辺りまでの長さ(約120cm)
のものです。現在カスケードデザインでは、3/4という表記をしておりませんが、スモールが同等品になります。私のウルトラライト3/4は、3月の震災以降、久々にあけてみたら、内部のウレタン部分の接着が剥離していました。エアーを使うタイプなので、いつかは使えなくなるので仕方ありませんが、40日の徒歩と、4年間の一人暮らしで使った事を考えると、耐久性は折り紙つきといえるでしょう。その後、2代目サーマレストとして、ProLite(スモール)を購入しました。ウルトラライトが480gだったのに対して、ProLiteは310gと非常に軽くなっており、改めて、時代の変化、技術の進歩を感じたのでした。


荷物を背負って歩く旅や、登山に使用するマットレスは、携帯性から全身タイプ(180cm程度)では無く、120cm程度のものを選ぶことにしています。ProLiteが一番ですが、最近は、モンベルのエアータイプのマットレスも購入しました。これには、90cmという小さなサイズがラインアップされていますが、同じくエアータイプの枕と接続できるようになっております。この組み合わせは、携帯性に優れており、使用時の長さも90cm+枕で、120cmタイプのマットレスと大差無いです。小型のバックで旅する時には有利です。

収納時。左から、
U.L.コンフォートシステムピロー (mont-bell) 90g※
U.L.コンフォートシステムエアパッド90 (mont-bell) 285g※
THERMAREST ProLite スモール (Cascade Designs) 327g※
RedgeRest  レギュラー(Cascade Designs) 365g
※ケース込みの重量

広げたところ。
左は、モンベルの90cmのマットレスと枕を連結させたところ。
中央は、サーマレストProLiteスモール。
右は、リッジレストのレギュラー。


2011年6月15日水曜日

雲取山(一泊二日ツェルト泊)で使用した装備のメモ


2011年6月4日~5日の雲取山の装備。出発前のバックパックの重量は、10.7kg。

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以下、内容の詳細。

バックパック:Black Diamond RPM size S/M 570g
テント:アライ NEWツェルト(※1995年頃購入) 625g(ケース込み)
ツェルト用ポール:アライ 2本、張り縄つき 225g(ケース込み)
グランドシート:メーカー不明のエマージェンシーシート 60g
ペグ: 各種、計10本 238g(ポーチ込)
予備張り縄:2本、自在付 50g
フライシート:mont-bell ツェルトフライ 240g
寝袋:mont-bell サーマルシーツ 386g
シュラフカバー:mont-bell U.L.スリーピングバッグカバー 225g
マットレス:mont-bell U.L.コンフォートシステムエアパッド90 285g
枕:mont-bell U.L.コンフォートシステムピロー 90g
ストーブ:イワタニ・プリムス 114ナノストーブ 75g(ケース込)
クッカー:snow peak チタントレック700 136g
カトラリー:snow peak チタン先割れスプーン ショート 15g
雨具:mont-bell スーパーハイドロブリーズレインウェア(上下セット) 590g
             折り畳み傘(ジャスコで購入) 195g
             mont-bell レインスパッツ 135g
             mont-bell ジャストフィットパックカバー25 80g
その他小物:
    ポケットナイフ(Victorinox) 35g
   LEDランタン(Black Diamond)130g(電池込)
コンパス(Silva) 14g
エマージェンシーホイッスル(A&F) 12g
ライト(MAG Lite SOLITAIRE)  25g(電池込)
ライター:Zippo 60g
ラバーハンマー:ダイソー 88g
地図:昭文社 山と高原地図25(必要な部分だけコピー) 5g
防寒具:Patagonia キャプリーン エクスペディションウェイト ジップネック(15年前に購入) 255g
  着替え:靴下×1(55g)、UNIQLOヒートテック(長袖シャツ)×1(180g)
  洗面具:歯ブラシ(15g)、フェイスタオル(20g)

------ここまでの重量が5,114g--------

以下、水4リットル(4kg)を含む消耗品。計算上は約5.6kg。

 消耗品:ガスカートリッジ(イワタニ・プリムスPG-110) 約220g、トイレットペーパー  約100g
 水筒:platypus 2.5リットル(35g)、500mlのペットボトル×3
 食料:アルファ米(4食分)、即席味噌汁、お茶漬け、フォーなど。
 非常食:チョコレート、キャラメル、カロリーメイト
 日本酒:缶入り200ml

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 着ていたもの:
ベースレイヤー:
Patagonia キャプリーンライトウェイト上(クルーネック長袖)&下(タイツ)&靴下
…いずれも15年以上前に購入。
シェル:Patagonia フーディニフルジップ…最近購入。
Tシャツ、ズボンは化繊100%の物を出発日前日にロヂャースで購入。
靴:ナイキのゴアテックスのランニングシューズ。
…昔に購入。未使用の古いもの。ソールがパックリ剥がれました。


左から、
mont-bell U.L.スリーピングバッグカバー
mont-bel U.L.サーマルシーツ
奥、アライ Newツェルト
手前に、ペグ
最前列に、ツェルト用ポール
mont-bell ツェルトフライ
mont-bell U.L.コンフォートシステムエアパッド90
奥、snow peak チタントレック700
手前、mont-bell U.L.コンフォートシステムピロー

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まとめ:
着替えは無いに等しく、就寝時と帰りの電車でヒートテックに着替えただけだが、問題なかった。日中、かなり汗をかいたが、行動着はパタゴニアのキャプリーン&フーディニで不快感無く過ごせた。


6月上旬の1,800m地点でのツェルト泊だったが、モンベルのサーマルシーツ&シュラフカバーでは寒かった。フリース(キャプリーンエクスペディションエウィト)&雨具を着て寒さをしのぐことができたが、万が一、日中に雨が降って、雨具が濡れて就寝時に使用できず、さらに夜間の気温がもっと低かったとしたら、防寒対策は不十分だったかも知れない。


イワタニ・プリムスのPG-110のカートリッジは、友人と1個ずつ持って、ストーブ1台で2人前の調理をしたが、1泊2日5食×2人前では、カートリッジひとつでも十分に足りた。


水4リットルは無補給ですべて使い切った。


ツェルトは最新のものに買い換えれば300gは軽くなるはず。


ペグやライターに無頓着だったが、吟味すれば大幅に軽量化できるはず。


靴は登山靴が必要。

クッカー、ストーブ、カトラリーの組み合わせはベストと言える。




すべてをクッカーの中におさめた状態。


2011年6月12日日曜日

初の登山(6月の雲取山)

七ツ石山方面を振り返って

5月末、何故か急に登山をしたいと思うようになり、東京都の最高峰、雲取山への登山を計画しました。思ったその週の週末に出発するという突飛な計画でした。


その話をTwitterでつぶやいたら、友人も参加したい、という返事が来て、是非…ということになりました。しかし、よくよく聞いているうちに、友人は山登りの装備の一切を持っていないことがわかりました。


土曜の早朝に出発する計画で、友人の参加が正式に(?)決まったのが、水曜の夜・・・という状況。こちらはさいたま市、むこうは東京都北区なので、決して遠くはないのですが、平日はお互い仕事ということもあり、事前に道具を貸したり、打ち合わせをしたりという時間はありませんでした。


それでも私の装備の数々は、今まで登山に使っていなかっただけで、すべてが登山用品。二人分の装備を用意することは難しくなかったので、短い期間ながら(私だけが)念入りに準備と計画をしました。


お互い初心者であることと、梅雨入り後であったため、不安定な天気が続いていたことが不安材料でした。会う人皆から『高尾山あたりから始めれば…』と、言われた事も不安を誘っていたかもしれません。


6月4日土曜日の朝6時に、さいたま市で友人と待ち合わせをして、JR奥多摩駅を目指しました。奥多摩駅からはバスに乗って、所要40分弱の鴨沢というところまで行きました。


土曜の早朝、奥多摩へ向かう列車(武蔵野線、中央線、青梅線)のすべてで、老若男女のハイカーがたくさんいたことには驚きました。奥多摩駅から鴨沢に向かうバスも臨時便が出るほどの超満員。


鴨沢は雲取山の登山口としては人気がある場所のようでした。最初は民家の合間を縫った急な坂道を抜けます。民家を抜けて車道に合流した後、左脇に未舗装の登山道が現れて、いよいよそこから登山を開始するわけです。


天気は今までの梅雨空が嘘のように晴天だったため、雨に対する不安はほとんど無くなりました。しかし登り始めの民家を抜ける坂道の段階で早くも絶望感を覚えました。とにかく勾配が急。これが5時間も続くのであれば、絶対に無理だ…という気持ちになり、もしもその時、友人か私のどちらかが、『やはり止めにしよう』と言えば、異論を口にしなかったはずです。それほどに最初から心が折れてしまっていたのでした。


それ以降、心と体力に余裕を持てないまま登り続けましたが、日の長いこの時期のわりに、夕方になってもなかなか頂上に近づけず、奥多摩小屋というところでテント泊をして、翌日下山したのでした。


使用した装備一覧はこちら。


初心者なりにがんばったのですが、やはり頂上に立ちたくなりますね。近いうちに絶対リベンジしよう。(翌月再挑戦しました。)



北海道へのツーリング

1995年は、夏に新宿から大間岬まで900km歩き、秋には上海から中国を西へ、カラコルムハイウェイを抜けてパキスタンへ、その後、インド亜大陸の国々や、東南アジアをまわって、1996年の春まで7ヶ月以上旅をしました。


旅から帰ってきてからもまだ飽き足らず、今度は250ccのオートバイで北海道へツーリングに出掛けることにしました。この時は、ミャンマーで出会ったイギリス人とオーストラリア人の旅人(青森在住)をたずねるために、青森県の五所川原を訪れたりもしました。


北海道に入ってからは、大沼、富良野、羅臼という当時の3大無料キャンプ場や、各地のライダーハウスを拠点に旅をしましたが、中でも富良野の鳥沼キャンプ場は、特にディープな雰囲気があり思い入れがあります。新参者には、入りにくい雰囲気があるのですが、何とか先住の方々と打ち解けあって、農作業のアルバイトなどをしながら、数週間滞在しました。


北海道を旅するライダーの中には、秋までには道東へ移動をし、そこで昆布や鮭の漁の仕事をして、冬の前までには、沖縄方面に進む人が多くいるようでした。沖縄ではタバコの収穫などの仕事をして、1年の多くを旅に費やすそうです。


このツーリングで出会った日本各地の方々とは、その後も本州でキャンプの企画をしたりして、何度か交流していました。


※2011年現在、北海道のキャンプ場の状況は、1996年当時と大きく変わっていると思います。少なくとも鳥沼キャンプ場は何年か前に閉鎖したという情報を目にします。

 

2011年6月11日土曜日

900km徒歩の旅

子供のころから自転車で遠出をするのが好きでした。高校を卒業したころ、青春18切符を利用して、南は博多、北は札幌・・・と日本中を列車で旅したり。原付や、自動二輪の免許を取得してからは、関東を中心に、たくさんツーリングをしました。(250ccのオートバイを購入した翌日には、一般道路を600km運転しましたよ・・・)


オートバイでは、とにかく高速道路を使わなかった。これはお金の節約という目的もありましたが、高速道路では、途中の景色を楽しむことができないと考えていたためです。


それでもオートバイの旅では、知らず知らずのうちに、より遠く、たくさんの土地を訪れるために、いつも目的地へ急ぐ旅になってしまいました。


そんな20代前半のある日、漠然と北海道へ旅をしようと考えました。もちろん最初はオートバイで行くつもりでしたが、少し考えた後に、歩きにしよう、と決意しました。


歩きの旅は、自分にとって初めての経験で、未知の領域。とにかく荷物の軽量化が必要と考え、バックパックを新調し、テント、調理器具など、とにかく軽量で収納・携帯性が良いものを吟味して買い足しました。


そして21歳(1995年)の夏に、東京都新宿駅から、本州最北端の青森県下北半島の大間岬まで、約40日かけて約900mを歩ききりました。大間岬は北海道の最南端より北に位置するため、北海道まで歩いた。ということにしています。


この旅では、岩手県で出会った方の熱烈な歓迎を受けて、一晩だけ民家に泊めていただきましたが、それ以外はすべてテント泊でした。真夏でしたので寝袋は不要で、日が昇ればすぐにテントの中は蒸し風呂になりました。朝・夕の比較的涼しい時間帯を中心に、1日20~30kmを歩きました。


大間岬についてからは、フェリーで函館へ渡り、列車で札幌の親戚を訪ねてから、車を借りて北上し、宗谷岬~道東~道南・・・とわずか4日で北海道をぐるりとまわりました。さすがにこれは味気なかった。後に250ccのオートバイで、再度北海道を目指すことになりました…。

陸路の旅


私がはじめて海外旅行をしたのは、20歳の時でした。
はじめてにしては、少し大掛かりな旅だったのかもしれません。
ドイツ・フランクフルトから中国・上海までのユーラシア大陸横断陸路の旅。
これはちょっと変わった旅で、途中のネパールの首都カトマンズまでは、キャンピングカーに改造したトラックで旅をしたのでした。


その後20代はアジアを中心に、陸路や海路の旅をしました。


上の地図に記したのがそれらの経路で、以下に訪問した国々を経路ごとに記します。


①1994年2月 ドイツ~オーストリア~ハンガリー~ルーマニア~ブルガリア~トルコ~イラン~パキスタン~インド~ネパール~中国(青色の経路)


②1995年10月 中国~パキスタン~インド~スリナンカ~モルジブ~インド~ネパール~インド~ミャンマー~タイ~ラオス~タイ(赤色の経路)


③1997年9月 香港~中国~ベトナム~カンボジア~タイ(黄緑色の経路)


④1998年2月 タイ~マレーシア~インドネシア~マレーシア~シンガポール(藤色の経路)


⑤1999年1月 シンガポール~マレーシア~タイ(水色の経路)


⑥1999年3月 タイ~カンボジア~ベトナム~ラオス~タイ(黄色の経路)


⑦2001年11月 トルコ~シリア~レバノン~シリア~ヨルダン~イスラエル~ヨルダン~エジプト~イエメン~インド(茶色の経路)


これら以外の海外旅行には、陸路で国境を越える旅ではありませんが、カンボジアへ2回、日韓ワールドカップを見に韓国へ、出張でアメリカへ・・・というのがありました。


それぞれの旅の詳細については、またの機会に。

旅のはじまり

旅のはじまり。


旅は非日常的なもの。
旅を続ければ、それが日常になり、今までの日常が非日常になるかもしれません。
異国への旅では、万華鏡のように変化に富んだ日常に圧倒させられることもあります。そこへ一歩深く踏み入れば、今まで育んだ日常を背中に感じ、まさに今、目の前に新しい旅がはじまったことを知るでしょう。


このブログでは、私自身の過去の旅を振り返ったり、ささやかながら現在進行形の小さな旅や、趣味の世界への旅などを少しずつ記録したいと思います。