2013年11月16日土曜日

ニコンDf を触ってきました

前回に続き、カメラの事を長々書きます。

今月初めにニコンから、Df という妙なカメラの発表がありました。
11月28日に発売予定とのことですが、今日、品川で体験イベントがありましたので、触りに行ってきました。


Nikon Df

私がDfについて「妙な」と書いたのは、最初にそのカメラの仕様を見たときにちょっと戸惑ったからです。今日はそのあたりを書いておきます。

まず、Dfの特徴をざっとまとめますと下記のとおりです。

・FXフォーマット(フルサイズ)の一眼レフで、センサーはフラグシップ機D4の性能を受け継いでいる。

・D4と比べるとかなりコンパクト(FXフォーマット最小最軽量)で、価格も抑えられている(ほぼ半額)。
・ノスタルジックなデザイン。ダイヤル操作を多く採用している。

さて、私が戸惑ったのは下記の2点です。

1.非Aiレンズへの対応

2.ダイヤルレイアウト


まず最初に「1.非Aiレンズへの対応」について書きます。
非Aiレンズというのは、1977年に登場したAiレンズ以前の古いレンズの事です。


非Aiレンズ


非Aiレンズは、一部を除き、Ai化したカメラに取り付けできません。レンズ情報を伝えるカプラー(露出計連動レバー)が干渉するため、取り付けられたとしても外せなくなる可能性があります。

私が最初に手に入れたニコンの体験談ですが、中古カメラ店で手に入れたボディ(F-801S)と、非Aiのレンズ(オートニッコール50mmF2)を店を出てから装着してみたところ外せなくなり、お店に駆け込んだら、「その組み合わせで付けちゃダメだよ~」と言われて落ち込んだことがありました。(笑)


今の常識から考えると、バカよけとか、ポカよけ、フールプルーフ(fool proof)という言葉があるように、メーカー側は、装着自体を不能にする措置をとるべきなのですが、歴史の長い「不変のFマウント」には、このような落とし穴がいくつかあります。


それでもニコンは、非AiレンズをAiに改造する対応を1997年まで行ってきましたし、F3やF4というフラグシップ機には、カプラーを可倒式にして、干渉を避け、非Aiレンズを装着できるような措置を取っていました。

その後は、F5、F6のようなフラグシップ機にも可倒式カプラーは無くなってしまいましたが、サービスセンターで改造してもらうことはできたそうで、なんとか非Aiレンズを使えるような対応を続けてきたのでした。ニコンのこのような姿勢が、昔からのファンに支持されているところでもあります。


このような経緯で、ニコンは少しずつ非Aiの対応を無くしていき、デジタル時代に入ってからは完全に対応を止めたわけです。最近のレンズカタログを見ても、ボディとレンズの対応表には、非Aiという言葉すら載らなくなったのですが、ここにきてDfが非Aiに対応する…ということを聞いて、私はすごく戸惑ったのです。(大歓迎ですけど)


Dfのマウント部。時計の1時~2時の位置にあるのが露出計連動レバー。


さらに今回驚いたのは、Dfは、非Aiレンズが装着できるだけではなく、開放測光ができるということです。機械的には、絞りリングと連動していなかったり、レンズの開放F値をボディに伝えることができないため、あらかじめレンズ情報を登録したり、撮影時に選択した絞り値をサブコマンドダイヤルで設定してあげる必要がありますが、F3やF4の時よりは操作性が良くなっているはずです。(今日の体験イベントでは試すことはできませんでした。)

F3やF4で非Aiレンズを装着した時にカメラ内蔵の露出計を使う場合、絞り決定後に絞り込みレバーを押して測光を行い、シャッタースピードを決定して、絞りを開放に戻し、ピント合わせを行う…という手順が必要だったと思いますが、Dfでは絞り込みレバーを押す必要が無くなったのと、開放測光により、より正確な露出を得られるようになったはずです。(…という事だと思うのですが、間違っていたらごめんなさい)


最後に、非Aiとか言われても、何の事だかさっぱりわからないよ、というニコンユーザーもいらっしゃると思いますので、歴史あるニコンFマウントレンズを、できるだけ大雑把に分類してみます。

①非Aiレンズ(1959年~1977年)
 オートニッコール、ニューニッコール

②Aiレンズ(1977年~2001年)※現在も販売中
 Ai、Ai-S、①のAi改造レンズ、AiAF、Dレンズ…など

③Gレンズ(2001年~現在)

普通はこんなに大雑把な分類はしないと思います(笑)。②はマニュアルフォーカス(MF)からオートフォーカス(AF)へ移行する時代も含んでいますので、MF用のレンズとAF用のレンズを分けて考える方が一般的かもしれません。しかし② はAF用レンズにも、絞りリングを備えているため、MF機でも問題無く使用できます。③になってからは、絞りリングが無くなったため、MF機では絞り操作ができなくなり、事実上使用不能になりました。

そんなわけで、Dfが対応する非Aiが、相当昔のレンズだという事がおわかりいただけたと思います。

ちなみに、非AiレンズのAi改造は下記に相談してみると良いでしょう。

 フォト工房キィートス
 http://photo-kiitos.co.jp/



次に「2.ダイヤルレイアウト」について

ニコンDf のセールスポイントの一つに、ダイヤル操作がありますが、私は露出補正ダイヤルのレイアウトに疑問を感じました。

ニコンが今(Df登場前)の操作に落ち着いたのは、フイルム時代のF5(1996年)あたり、正確にはその後のF100(1998年)の頃だと思います。しかしDfは、FM2など1970年代~1980年代前半のカメラを模したためか、使い勝手の面で後退している可能性があります。

DfのISO感度設定ダイヤルは、1970年代のカメラのように、カメラ左肩にあります。そしてISO感度設定ダイヤルの同心円上に露出補正ダイヤルを配置しています。つまり両方とも左手側です。今のカメラはニコンに限らず、露出補正の操作を右手で行うようになっていると思います。Dfのように左側に配置するレイアウトは、見た目は懐かしいですが、最近のカメラに慣れた人には、使いにくいはずです。


左肩にISO感度設定ダイヤルと露出補正ダイヤルがあります。

せっかく右手側にメインコマンドダイヤルとサブコマンドダイヤルがあるのですから、自動露出の際に、右手のコマンドダイヤルでも露出補正ができれば良かったのですが・・・。

MF時代のフイルムカメラは、京セラコンタックスのように左肩にシャッターダイヤルがあったり、オリンパスOMシリーズのようにレンズマウント部にシャッターダイヤルがあったりして、レイアウトは千差万別でした。しかし現在では、各社ともに、左手はレンズを保持しながら、ピントリングやズームリングを操作する必要があるため、露出に関係する操作は右手に任せる・・・というスタイルが一般化したと思います。

つまり右手シャッター周辺に撮影時によく使う機能が集中していた方が良く、カメラ左肩には、撮影時にあまり変更しない項目のみ配置するべきだと私は考えます。露出補正は、自動露出を使う場合、頻繁に使用する機能ですので、ニコンの前例で言うならば、F4のように右側に配置した方が良かったのではないでしょうか。

なんだか最後は批判っぽくなってしまいましたが、F3のようなカメラを使う時はマニュアル露出がメインで、露出補正ダイヤルなんてあっても使わなかったわけですから、そのようなユーザーはDfでもマニュアル露出で使う分、このレイアウトに何の不満も無いはずですね。

あと、Dfのシャッターダイヤルには「1/3 STEP」という項目があり、コマンドダイヤルで1/3段ずつ細かく設定することができます。


1/3STEPという項目があるシャッターダイヤル

そんなわけで、Aiレンズを使う場合は、昔風に絞りリングとシャッターダイヤルを使い、Gレンズを使う場合は、今風にメインコマンドダイヤルとサブコマンドダイヤルを使う・・・という感じで、使い分けができることは嬉しいですね。
Dfでは、D4に採用されているような、コマンドダイヤルの向きの変更や、露出補正インジケーターの+/-の表示方向の入れ替えができるようですので、ニコン以外のユーザーでも使いやすいはずです。

最後に、今日確認してわかったことをいくつか書いておきます。

・持った感じは意外と軽かった。
・露出ダイヤルは、ロックがかかる仕様。ロック解除ボタンを押しながら回します。
・ISOダイヤルもロックがかかる仕様。ロック解除ボタンを押しながら回します。
・露出モードダイヤルもロックがかかり、引っ張り上げながら回します。
・ドライブモードは右手側にあります。(他の機種では左手側にありますが、特別な意味があるのでしょうか。)
・レリーズは、シャターボタンに機械式のものを装着可能。ボディ側面に、アクセサリーターミナルもあります。(10ピンターミナルは無いです。)
・マウント部の露出計連動レバーは可倒式。F3やF4のようにロック解除ボタンは無いですが、不自由は無さそうです。指先でパタンと倒す感じ。

・・・最初に写真で見たときは厚ぼったい印象を持ちましたが、触ってみると小さい感じがして、デザインも違和感はありませんでした。

値段は安くないですけれど、良いカメラだと思います。ニコンにはこれからも高級なカメラに注力して欲しいです。


おわり

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