2013年9月4日水曜日

ガソリンストーブ3(コールマンの小型ストーブについて)

今回はコールマンのガソリン式小型ストーブ(ワンバーナー)について書きます。

コールマンは、20世紀初頭に創業したアメリカのアウトドア用品メーカーで、創業当初はガソリン式ランプの販売がメインだったようです。ちょうど電灯が普及していった時代だと思いますが、ガソリン式ランプは、屋外作業用の灯りとして、または停電時の備えとして需要があったようです。

1920年代になると、自動車が普及してきて、オートキャンプがブームになり、現在のツーバーナーの原型となるキャンプストーブが作られたようです。

1940年代には、GIポケットストーブという軍事用ガソリン式ストーブの製造を手掛けるようになり、一部民生用も販売されましたが、今のようなアウトドア用品メーカーに転身するのは、もう少し後の1950年代後半になってからでした。

1960年代に入り、スポーツスターという愛称のワンバーナーが登場しました。現在では後継のスポーツスターⅡ(508A)というモデルが販売されています。

1970年代半ばには、スポーツスターより小型のワンバーナーが作られるようになり、EASI-LITEストーブとか、ピーク1ストーブ、フェザーストーブという愛称が付けられています。これらの系統では、442-726J(フェザーストーブ)というモデルが現行機種として残っており、80年代のピーク1ストーブを彷彿させるような形状をしています。


現行のコールマンフェザーストーブ(442-726J)
コールマンはプレヒートは不要で扱いやすいです。
左が1984年製のピーク1ストーブ(400A701)
右が現行のフェザーストーブ(442-726J)

現行のフェザーストーブと、80年代のピーク1ストーブは使用部品も似通っていますが、大きな違いは燃料調整レバーの数です。現行が1レバータイプ、80年代のものが2レバータイプとなっており、後者は細かい火力調整が可能という事で、現行のフェザーストーブを2レバータイプに改造する方が後を絶たないようです(笑)


具体的には形状の違うジェネレーターを付けるために、ジェネレーターを曲げたり、ブラケットを自作したり、バーナーボックスをヤスリで削ったりするようです。

それでは2者のバーナーボックス部分の違いを見てみましょう。


現行のフェザーストーブ(442-726J)のバーナーボックス部分を分解したところ。

ピーク1ストーブ(400A701)のバーナーボックス部分を分解したところ。

バーナー部で形状が異なる部品は3点。上が442-726J、下が400A701

私も改造を試してみましたが、ジェネレーターの曲げが浅かったのか、締めつけた際に、ジェネレーターのテーパー部分を潰してしまいました。


出来心でちょっと試しただけなのにジェネレーター破損(!)

2レバータイプのジェネレーターは消耗品と言えども3,500円前後と高いので、わざわざ改造するよりは、2レバータイプの昔のピーク1ストーブをオークションで安く手に入れた方が早い気がしました。今回出来心でジェネレーターを破損させてしまい、手痛い損失になってしまいました。

ちなみにコールマンのパーツですが、名称や型番が同じでも形状が違ったり、形状が同じでも型番が違ったり…という事があるようです。今回比較した2者のパーツリストも載せておきます。

例えばバーナーボックスは型番が同じですが、先に載せた写真の通り、形状は異なります。

442-726Jのパーツリスト
400A701のパーツリスト


最後に…
フェザーストーブは、わざわざ改造をしなくても魅力あるストーブだと思います(笑)。ガソリン式タンク一体型の小型ストーブというカテゴリでは、オプティマス123Rスベアとともに、貴重な存在になりつつあります。

タンク一体型小型ストーブの宿命としては、燃料タンクの容量に限りがあるため、状況によって燃料ボトルを別途用意したり、燃料を移し替えるための漏斗(ろうと、じょうご)が必要になります。結局、装備全体としては小型・軽量にはならないため、登山でこのストーブが選ばれる事はあまり無いようです。

それでも比較的安価ですし、プレヒートが不要で扱いやすい品ですので、ガソリンストーブの入門機として最適ではないでしょうか。ガソリンストーブは寒さに強いので、秋~冬のバイクツーリングに向いていると思います。冬にツーリングなんて行かないよと言われてしまいそうですが(笑)


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