2013年1月11日金曜日

1月、奥秩父主脈(雁坂峠~雲取山)縦走(テント泊他)

2013年1月4日(金)~6(日)

正月は2日から仕事でしたが、週末に3連休を取り、2泊3日で山へでかけることにしました。日本三大峠の雁坂峠から奥秩父主脈縦走路を東へ、雲取山を目指す計画です。

普段、3日以上の休みが取れないので、2泊3日の山行は今回が初めてなのと、冬山でテント泊をした経験がないため、予定通り進めない場合や、寒すぎて眠れない場合には撤退するつもりで、以下のようなイメージで臨むことにしました。


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初日、西沢渓谷入口から雁坂峠を経て、雁坂小屋、雁峠山荘、笠取小屋のいずれかまで進む。撤退する場合は西沢渓谷や新地平方面へ下りる。

2日目、最低でも将監小屋までは駒を進め、順調ならば雲取山を目指す。撤退する場合、将監小屋から下山してもバス停が無いため、飛龍山から丹波に下りるルートを使う。このルートはちょっと距離があるけれども、以前通ったことがあるため、何とかなるはず。

3日目、将監小屋からスタートする場合は、雲取山まで行くか飛龍山で下山するか、状況に応じて判断する。雲取山からスタートできた場合は、鴨沢へ下りる最短ルートをとるか、石尾根や長沢背稜をさらに東へ進むか、体力と相談して決める。

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手持ちの服装については、冬靴なし、冬用のシェル(厚手のゴアテックス等)なし、ズボンは薄手・・・という内容でしたので、重ね着などで調整し、滞在時の防寒用として厚手のダウンジャケットを持っていくことにしました。

装備については、冬用のシュラフを持っていませんが、mont-bellのU.L.スパイラルダウンハガー#3と、U.L.スパイラルダウンハガー サーマルシーツ(#7相当?)の2枚重ねにゴアテックスのシュラフカバーを併用し、ダウンジャケット等を着込んで寝れば、マイナス20度くらいまでは耐えられるだろうという判断です。

テントは普段使っているアライのエアライズ1ではなく、自立式シェルターのライズ1にしました(1995年頃に購入したもの)。雨の可能性が低かったので、軽量で設営のしやすさを優先させました。結露は気にしないことにします。

今回新たに、mont-bellのスノースパイク10という10本爪の簡易アイゼン、MSRのスノーシュー(Evo Tour)、FIZANのトレッキングポール用の雪用バスケットを買い足しました。あと、プリムスのガスカートリッジは寒冷地用のウルトラガスにしました。


■1日目(西沢渓谷~雁坂峠~水晶山~古礼山~燕山~雁峠)
まず西沢渓谷を目指しますが、この時期は塩山駅発のバスは無く、山梨市駅発のみのようです。一番早いバスが山梨市駅9:12発で、終点西沢渓谷入口には10:10到着となっています。

雁坂峠への登山口に行く場合は、終点西沢渓谷まで行かずに、手前の「道の駅みとみ」あたりで降車した方が近いようです。道の駅にトイレがあります。

国道140号線を少し歩き、雁坂峠入口の林道に入りますが、ここから雪道となり、アイゼンを装着しました。


最初は車道を歩きますが、正月だからなのか、
車はあまり通っていないみたいです。

車道が終わり登山道に入ると、何度か凍結した沢を横切ります。
全体的にはそれほど急な登りも無く、歩きやすい道だと思います。今回、スノーシューをもってきましたが、雁坂峠までは、スノーシューを使うほど雪が無く、専用のケースに入れたまま手提げで運んだのでした。

何度か凍結した沢を横切ります。

日中は-1~-3度くらいで、陽もあたっていたので、暖かく感じました。

標高が上がるにつれて、富士山と甲府盆地が見渡せます。

日本三大峠、雁坂峠に到着。
雁坂峠から稜線にでると、雪が深くなってきたので、スノーシューを装着することにしました。ここでやっと手提げのケースから開放されて、両手が自由になったのでした。
雁峠までの間に1名とすれ違っただけでしたが、数日前のものと思われる踏み跡も残っており、天気も良かったことから、道に迷う要素は皆無で、常に右手に富士山を見ながら気持ちの良い稜線歩きができました。


稜線にはけっこう雪が積もっています。

やっとスノーシューを装着。
まず最初に、水晶山(標高2158)。
続く古礼山(標高2112.1m)は、眺めが良いです。

テント場がある笠取小屋を目指していましたが、
陽も暮れてきたので雁峠小屋の脇にテントを張ることにしました。夕方の気温はマイナス7~8度くらいで、夜中にテント内の気温を見たときはマイナス10度を下回っていたようです。(私の時計では、マイナス9.9度までしか表示されないようで、計測不能でした。)

しかし夜は無風だったこともあり、思っていたほど寒くはなく、よく眠れました。



だんだん陽が傾いてきました。
燕山(標高2004m)に到着。
左下が雁峠。笠取小屋を目指したかったのですが、時間切れ。
無人の雁峠山荘脇にテントを張ることにしました。


■2日目(雁峠~笠取山~唐松尾山~将監峠~雲取山)
翌朝6時前に出発して、目標を雲取山に設定しました。コースタイムは10時間程です。

出発して間もなく、小さな分水嶺を越えると、暗闇の中に笠取山の急な斜面が現れました。スノーシューのヒールリフターを上げて直登しましたが、おかげでなかなか快適な登りでした。

私が買ったMSRのEvo Tourというスノーシューですが、ヒールリフター無しのEvoというモデルに比べて定価が4,200円も高いので、購入する際に悩んだのですが、早速役に立って良かったです。

実際には、登りと下りを繰り返す場面で、いちいちヒールリフターを上げたり下げたりするのは面倒だと思うので、価格差も考慮した場合、ヒールリフター無しのモデルでも十分だと思います。

笠取山の頂上付近から先は、雪が減り、岩が増えたのでスノーシューからアイゼンに替えました。以降、スノーシューは使用しませんでした。スノーシューの重量は、ケース込で2.3kgですので、ちょっと重いですが、昨年1月の大菩薩や、3月の三ツドッケの積雪を思い出すと、奥秩父と言えども、雪が深い時の長距離移動には、無いと不安でした。


6時前に出発。雲取山まで17.3kmとの事。結構距離ありますね。
夏山のコースタイムでも10時間くらいでしょうか。

小さな分水嶺を越えて、笠取山(標高1953m)を直登。
直登の際は、スノーシューのヒールリフターが役に立ちました。

笠取山から夜明けの富士山。

笠取山頂上付近は岩場があり、雪も少なくなっためアイゼンに
履き替えました。スノーシューは無理やりザックの横に装着。

唐松尾山(標高2109.2m)山頂は展望に乏しいです。

唐松尾山山頂から北への稜線は通行止めな雰囲気。
将監峠への標識に従います。

地図どおり黒槐山を巻き、再び尾根に出たあと、唐松尾山の先からは、少し稜線を外れます。斜面がなだらかになったあたりで、山ノ神土の分岐にでます。ここまで来れば将監峠まであと少し。

間もなく将監峠に着きましたが、将監小屋方面には下りずに、竜喰山方面を巻きながら縦走路を進みます。地図通りそのまま大常木山も巻きながら、飛龍山の禿岩まで進みます。意外と遠いです。

そして今回は
飛龍山の頂上を踏まず、雲取山へと急ぎました。このあたりから、大分疲れてきたことと、途中水を切らしてしまったことから、気持ちが切れて、三条ダルミあたりで、ビバークしようかと悩みました。しかし三条ダルミでは飲み水を作るための綺麗な雪があまり無かったこともあり、最後にひと踏ん張りして、雲取山山頂を目指したのでした。

雲取山に着き、テント場がある雲取山荘を目指す予定でしたが、ひとまず避難小屋を除いてみると、先客が何名か調理などしていたので、私もそこに滞在することにしました。ここにもあまり綺麗な雪はありませんでしたが、それでも何とか水の確保をし、夕食を済ませ、19時か20時くらいには寝床についたと思います。小屋の中は夜中でもマイナス2度くらいだったため、快適で、寝汗をかいた程でした。

■3日目(雲取山~七ツ石山~高丸山~日蔭名栗山~榧ノ木山~倉戸山~奥多摩湖 熱海)
朝は夜明け前から身支度を済ませ、山頂から夜空の星や、都心の夜景を見ながら日の出を待ちました。周辺の山々や富士山、南アルプスはもちろん、筑波山やスカイツリーも見えました。雲取山の山頂は今回で3回目でしたが、展望に恵まれたのは今回が初めてでした。


雲取山山頂からご来光

日の出を待ったため、雲取山を出発したのは7時過ぎでした。雲取山からは、石尾根を経由して、榧ノ木尾根で奥多摩湖に下りることにします。
今回は、七ツ石山の先で巻き道を使わずに高丸山と日蔭名栗山も登って、鷹ノ巣山は巻きました。その後、榧ノ木山、倉戸山を登りながら下山したのでした。石尾根は今回が3回目で、榧ノ木尾根は初めてでしたが、なかなか良いルートでした。


七ツ石山の先で、あきらかに尾根から外れるところがあります。
過去2回とも右の巻き道を通っていたので、今回は左の稜線へ。

千本ツツジあたりの景色の良い稜線。

高丸山の登り

せっかく登りましたが、直ぐ下ろされます。

日蔭名栗山へはまた登ります。
高丸山、日蔭名栗山ともに、今まで巻いてきましたが、景色の良いところでした。特に日蔭名栗山から見た鷹ノ巣山や大岳山の向こうに見えた都心のビル群や東京湾、その先の房総半島は印象的でした。

そして今回はじめて鷹ノ巣山を巻きました。右手に富士山、後ろには南アルプスが見ながら、平坦で快適な歩きができて、楽しかったです。


平坦で歩きやすい石尾根の巻き道。写真は水根付近。

榧ノ木尾根を南へ。なかなか良い下山路でした。

榧ノ木山


倉戸山からは一気に奥多摩湖へ下ります。

温泉神社

無事、奥多摩湖(熱海)に到着。


最後に、通ったルートの地図。
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1日目
(西沢渓谷入口~雁峠)
https://goo.gl/S2gVRk

2日目
(雁峠~雲取山)
https://goo.gl/XVufU9

3日目
(雲取山~榧ノ木山
https://goo.gl/LhgDk2

(榧ノ木山~奥多摩湖 熱海)
https://goo.gl/SAbecB





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