アルコールストーブ(バーナー)の事を何回かに分けて書きたいと思います
アルコールストーブは、小型で燃料の調達・取扱も容易なため、装備の軽量化を目指す際には、是非検討したいストーブです。
アルコールストーブと言えば、スウェーデンのトランギアという老舗メーカーを避けて通ることはできません。トランギアは、アルコールストーブに風防、五徳、鍋、フライパンをセットにしたストームクッカーというシリーズを中心に、システマチックで収納性の高い付属品を用意している魅力的なメーカーです。
そんなわけで、第一回目はトランギアの定番品、ストームクッカーについて書きます。
さてストームクッカーですが、実はかなり大がかりなシステムで、単独登山用には全く向いていません。最近の小型軽量のガスストーブの方が断然軽いため、私は二の足を踏んだまま、今日まで買えずにいました。それでもやっぱりストームクッカーを使ってみたい!ということで、最近やっと手に入れました。
検討段階で海外サイトなどで型番を確認すると、日本の正規代理店、イワタニ・プリムスでは扱っていないモデルが多数あることを知りました。これらを良く知らずにオークションなどで思っていたものと違うものを手にしたのでは悔しい思いをするのではないでしょうか。これから購入を検討される方のために、型番毎の仕様の違いをまとめた表を作ってみましたので、ご参考にしていただければと思います。
本場では、以下のようにアルミの表面加工の違いにより、色々な組み合わせが用意されているようです。(日本仕様は下記表の青字のものだけです。かなり間引きされていたわけですね。)
■ストームクッカーLシリーズ(25シリーズ)
型番 | 外観 | 風防 | フライパンの内側 | 鍋の内側 | ケトルの内側 |
---|---|---|---|---|---|
25-1 UL | アルミ | アルミ | アルミ | アルミ | - |
25-2 UL | アルミ | アルミ | アルミ | アルミ | アルミ |
25-3 UL | アルミ | アルミ | non-stick | アルミ | - |
25-4 UL | アルミ | アルミ | non-stick | アルミ | アルミ |
25-5 UL | アルミ | アルミ | non-stick | non-stick | - |
25-5 UL-LE | アルミ、鍋・ フライパンは赤 |
アルミ | non-stick | non-stick | - |
25-6 UL | アルミ | アルミ | non-stick | non-stick | アルミ |
35-6 UL | アルミ(黒) | アルミ | non-stick | non-stick | non-stick |
25-1 HA | HA | HA | HA | HA | - |
25-2 HA | ケトルはアルミ、 他はHA |
HA | HA | HA | アルミ |
25-3 HA | HA | HA | non-stick | HA | - |
25-4 HA | ケトルはアルミ、 他はHA |
HA | non-stick | HA | アルミ |
25-5 HA | HA | HA | non-stick | non-stick | - |
25-6 HA | ケトルはアルミ、 他はHA |
HA | non-stick | non-stick | アルミ |
25-7 UL/HA | 風防はアルミ、 他はHA |
アルミ | HA | HA | - |
25-8 UL/HA | 風防・ケトルは アルミ、他はHA |
アルミ | HA | HA | アルミ |
25-9 UL/HA | 風防はアルミ、 鍋はHA、 フライパンは黒 |
アルミ | HA | non-stick | - |
25-0 UL/HA | 風防はアルミ、 鍋はHA、 フライパンは黒 |
アルミ | HA | non-stick | アルミ |
※HAは、アルミにハードアノダイズド(陽極処理)加工を施したもの。
※non-stickは、焦げ付き防止のため、フッソ加工を施したもの。
※青字は、正規代理店のイワタニ・プリムスで取り扱っているもの。
※non-stickは、焦げ付き防止のため、フッソ加工を施したもの。
※青字は、正規代理店のイワタニ・プリムスで取り扱っているもの。
※枝番が奇数のセット(-1UL,-3HA等)には、ケトルは付属していません。
※25-5 UL-LEは、2015年にトランギア90周年記念モデルとして発売されたもの。赤いプレート2枚と、革のベルトが付きます。海外使用の場合、革ケース付きのようです。
■ストームクッカーSシリーズ(27シリーズ)
型番 | 外観 | 風防 | フライパンの内側 | 鍋の内側 | ケトルの内側 |
---|---|---|---|---|---|
27-1 UL | アルミ | アルミ | アルミ | アルミ | - |
27-2 UL | アルミ | アルミ | アルミ | アルミ | アルミ |
27-3 UL | アルミ | アルミ | non-stick | アルミ | - |
27-4 UL | アルミ | アルミ | non-stick | アルミ | アルミ |
27-5 UL | アルミ | アルミ | non-stick | non-stick | - |
27-5 UL-LE | アルミ、鍋・ フライパンは赤 |
アルミ | non-stick | non-stick | - |
27-6 UL | アルミ | アルミ | non-stick | non-stick | アルミ |
37-6 UL | アルミ(黒) | アルミ | non-stick | non-stick | non-stick |
27-1 HA | HA | HA | HA | HA | - |
27-2 HA | ケトルはアルミ、 他はHA |
HA | HA | HA | アルミ |
27-3 HA | HA | HA | non-stick | HA | - |
27-4 HA | ケトルはアルミ、 他はHA |
HA | non-stick | HA | アルミ |
27-5 HA | HA | HA | non-stick | non-stick | - |
27-6 HA | ケトルはアルミ、 他はHA |
HA | non-stick | non-stick | アルミ |
27-7 UL/HA | 風防はアルミ、 他はHA |
アルミ | HA | HA | - |
27-8 UL/HA | 風防・ケトルは アルミ、他HA |
アルミ | HA | HA | アルミ |
27-9 UL/HA | 風防はアルミ、 鍋はHA、 フライパンは黒 |
アルミ | HA | non-stick | - |
27-0 UL/HA | 風防はアルミ、 鍋はHA、 フライパンは黒 |
アルミ | HA | non-stick | アルミ |
※HAは、アルミにハードアノダイズド(陽極処理)加工を施したもの。
※37-6 ULは、外観がブラックのモデルで、日本限定仕様と思われます。
※27-5 UL-LEは、2015年にトランギア90周年記念モデルとして発売されたもの。赤いプレート2枚と、革のベルトが付きます。海外使用の場合、革ケース付きのようです。
正規代理店のイワタニ・プリムスで取り扱っているモデルに共通する特徴は、
1.ケトルが別売(*)
2.フライパンは全てノンスティック加工
…というところでしょうか。日本市場では、ノンスティック加工をしていないフライパンは売れない、という営業的な判断なのかもしれません。
*35-6 UL、37-6 ULはケトル付属です。ケトルはブラックで、内側がノンスティック加工です。
鍋、フライパンの内側の加工は、好みが分かれるところだと思いますが、ノンスティック加工は、空焚きをしないように注意する必要があるのと、金属製のフライ返しなどを使用した場合、表面にキズが付きやすかったり、ひどい場合は剥離したりする、というデメリットがあります。一般的に表面の耐久性は弱いと言えます。
アルミ無垢であれば、メスティン(トランギアの飯盒)のように、惜しげなく、ボコボコになるまで使い倒せる気がしますが、ノンスティック加工の場合、そうはいかないかもしれません。
そうなると、一番良さそうなのがハードアノダイズド加工でしょうか。アルマイト加工のことを英語でアノダイズドと呼ぶそうで、ハードアノダイズドは、硬質アルマイトのことのようです。アルマイト加工よりも膜厚が厚く、硬度も高いです。すり傷や腐食に対して強そうですが、ストームクッカーの場合、非常に高価になります。
それでもせっかくハードアノダイズド加工のストームクッカーを検討するのであれば、鍋だけでなく、フライパンの内側もハードアノダイズド加工のものが欲しいですよね。25-1HA、25-2HA、27-1HA、27-2HAが、その条件を満たしています。また、25-7UL/HA、25-8UL/HA、27-7UL/HA、27-8UL/HAは、風防だけアルミですが、鍋・フライパンはハードアノダイズドですので、性能的に遜色無く、おすすめできます。そもそも風防はハードアノダイズドで無くても良いのでは?と思いましたので、私は25-8UL/HAを購入しました。
フライパンだけはnon-stickでは無くては嫌だ…という方は、25-9UL/HA、25-0UL/HA、27-9UL/HA、27-0UL/HAも良いかもしれません。この組み合わせは2015年頃に登場しました。
逆に、25-5HA、25-6HA、27-5HA、27-6HAは、風防がハードアノダイズドですが、鍋やフライパンが全てノンスティック加工となっており、ちょっと残念な感じがします。もちろんノンスティック加工も魅力がありますが、その場合、風防はHAで無いタイプでも良い気がします。
とにかく種類が色々あって悩んでしまいますね。海外通販では、鍋や風防をバラ売りしているようですので、日本でもバラ売りしてくれるとありがたいのですが・・・。また日本では取扱が無いのですが、純正オプションに、ガスバーナー(プリムス製)や、ガソリン用バーナーがあります。
ちなみにバラ売りはスウェーデンのアウトドア用品通販サイトOutnorthが充実しています。
調べていくうちにストームクッカーのポテンシャルが高いことに気が付きました。ちょっとしたバーベキューなどにも向いているかもしれません。
※non-stickは、焦げ付き防止のため、フッソ加工を施したもの。
※青字は、正規代理店のイワタニ・プリムスで取り扱っているもの。
※青字は、正規代理店のイワタニ・プリムスで取り扱っているもの。
※枝番が奇数のセット(-1UL,-3HA等)には、ケトルは付属していません。
※27-5 UL-LEは、2015年にトランギア90周年記念モデルとして発売されたもの。赤いプレート2枚と、革のベルトが付きます。海外使用の場合、革ケース付きのようです。
1.ケトルが別売(*)
2.フライパンは全てノンスティック加工
…というところでしょうか。日本市場では、ノンスティック加工をしていないフライパンは売れない、という営業的な判断なのかもしれません。
*35-6 UL、37-6 ULはケトル付属です。ケトルはブラックで、内側がノンスティック加工です。
鍋、フライパンの内側の加工は、好みが分かれるところだと思いますが、ノンスティック加工は、空焚きをしないように注意する必要があるのと、金属製のフライ返しなどを使用した場合、表面にキズが付きやすかったり、ひどい場合は剥離したりする、というデメリットがあります。一般的に表面の耐久性は弱いと言えます。
アルミ無垢であれば、メスティン(トランギアの飯盒)のように、惜しげなく、ボコボコになるまで使い倒せる気がしますが、ノンスティック加工の場合、そうはいかないかもしれません。
そうなると、一番良さそうなのがハードアノダイズド加工でしょうか。アルマイト加工のことを英語でアノダイズドと呼ぶそうで、ハードアノダイズドは、硬質アルマイトのことのようです。アルマイト加工よりも膜厚が厚く、硬度も高いです。すり傷や腐食に対して強そうですが、ストームクッカーの場合、非常に高価になります。
それでもせっかくハードアノダイズド加工のストームクッカーを検討するのであれば、鍋だけでなく、フライパンの内側もハードアノダイズド加工のものが欲しいですよね。25-1HA、25-2HA、27-1HA、27-2HAが、その条件を満たしています。また、25-7UL/HA、25-8UL/HA、27-7UL/HA、27-8UL/HAは、風防だけアルミですが、鍋・フライパンはハードアノダイズドですので、性能的に遜色無く、おすすめできます。そもそも風防はハードアノダイズドで無くても良いのでは?と思いましたので、私は25-8UL/HAを購入しました。
フライパンだけはnon-stickでは無くては嫌だ…という方は、25-9UL/HA、25-0UL/HA、27-9UL/HA、27-0UL/HAも良いかもしれません。この組み合わせは2015年頃に登場しました。
逆に、25-5HA、25-6HA、27-5HA、27-6HAは、風防がハードアノダイズドですが、鍋やフライパンが全てノンスティック加工となっており、ちょっと残念な感じがします。もちろんノンスティック加工も魅力がありますが、その場合、風防はHAで無いタイプでも良い気がします。
とにかく種類が色々あって悩んでしまいますね。海外通販では、鍋や風防をバラ売りしているようですので、日本でもバラ売りしてくれるとありがたいのですが・・・。また日本では取扱が無いのですが、純正オプションに、ガスバーナー(プリムス製)や、ガソリン用バーナーがあります。
ちなみにバラ売りはスウェーデンのアウトドア用品通販サイトOutnorthが充実しています。
調べていくうちにストームクッカーのポテンシャルが高いことに気が付きました。ちょっとしたバーベキューなどにも向いているかもしれません。
ストームクッカーは、バーナー、風防、五徳、鍋、フライパンや それらを掴むハンドル、ケトルを効率よくパッキングできます。 ※写真左上の赤い燃料ボトルはパッキングできません。 |
25-8UL/HAは、フライパンと二つの鍋がハードアノダイズド加工。 ※フライパンと鍋は、付属のハンドル(TH-25)を使って持ちます。 |
パッキングをしたところ。 |
別売のガスバーナー(日本代理店での取り扱いは無し) |
ガス(OD缶)、ガソリン、灯油等が使えるMultifuel X2 (日本代理店での取り扱いは無し) |
2015年に発売された「gel burner」。ストームクッカー用のジェル燃料・固形燃料用の器。 |
25-8UL/HAと27-2UL、ミニトランギア (別売のマルチディスクや収納袋も写っています。) |
過去にはチタン製のものもありました。 |
過去にはDuossalというものもありました。 外側が熱を通しやすいアルミ、内側腐食しにくいステンレス、という優れもの。 |
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