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2015年3月8日日曜日

宙玉レンズを手に入れました

今回はカメラ関連の話です。

昨年11月にリリースされた宙玉(そらたま)レンズの製品版「Soratama 72」ですが、先月秋葉原のヨドバシカメラに買いに行った時には在庫が無かったため、取り寄せて最近やっと手に入れました。

ここ1ヶ月くらい手に入りにくい状態が続いていたようです。

手に入れる前からうすうす感じていましたが、接写関連の機材を持っていないと上手く活用できない、なかなかのキワモノ商品でした。この手のキワモノは大好きですけど(笑)

さて「Soratama 72」ですが、フィルター径72mmのガラスフィルターの真ん中に直径20mm弱程度のガラス玉がはめ込まれています。

ガラス玉がフィルターの後ろ側(カメラボディ側)に大きく飛び出しているため、厚み20mmのスペーサーが付属されています。


ZENJIX Soratama 72 本体

前面側。レンズキャップをつけるとガラス玉に干渉するかも。

後ろ側は20mmのスペーサーが付いています。

このスペーサーをつけた状態で、通常のフィルターのようにレンズのフィルター枠に取り付けて使用しますが、このままですとレンズから近すぎてピントが合わない可能性が高いです。そのため別売りでエクステンションチューブも用意されています。

私はエクステンションチューブを購入せず、手持ちの機材であれこれやってみたのですが、なかなかセッティングが上手くいかず、ちょっと焦りました。

ポイントは二つですね。

1.画面上に球体の像をどのくらいの大きさ(割合)で写すか。
2.Soratama 72をどの程度レンズに近づけるか。


1.は撮影倍率の話になります。

たとえば10円玉(直径24mm弱)を接写して、35mmフルサイズ(36mm×24mm)のセンサーにぴったり収めた場合、撮影倍率はほぼ等倍(1:1)ということになります。

倍率が上がれば大きく、倍率が下がれば小さく写りますので、レンズの性能表を見れば、どのレンズが適しているか、ある程度推測することができます。

手元にあるSoratama 72のガラス玉は直径20mm弱程度のようですので、フルサイズのセンサーの場合、撮影倍率が等倍付近のレンズを用意すれば、球体の像の天地におよそ2mmずつ隙間ができて、宙に浮いた状態を表現できると思います。

なお、センサーサイズがフルサイズより小さい場合は注意が必要です。APS-Cサイズの場合は等倍のレンズですと、画面からはみ出してしまいますので、倍率は0.67倍程度が適していると思います。マイクロフォーサーズの場合0.5倍程度で、同様の割合にできると思います。(あくまでも計算値です。)


2.はレンズ先端から被写体までの距離・・・つまりワーキングディスタンスの話になります。

最短撮影距離とワーキングディスタンスを混同してしまいがちなのですが、最短撮影距離はフィルム面(つまりセンサー面)から被写体までの最短距離で、レンズ先端からの距離ではないので注意が必要です。

ワーキングディスタンスは、最短撮影距離からレンズの全長とフランジバック(センサー面からレンズマウント部分の距離)を引けば、おおよその値を求めることができます。

フランジバックはカメラのメーカーや機種によって異なりますので、ワーキングディスタンスの計算は意外と面倒です。

大雑把な話をしますと、マクロレンズのワーキングディスタンスは10cm弱から20cm程度が多いです。焦点距離が長いもの(つまり望遠マクロ)の方が、ワーキングディスタンスが長くなります。

先にご紹介した「Soratama 72」の別売エクステンションチューブは5mm、10mm、20mmの3つのサイズがセットになっているため、もともと付属している20mmのスペーサーと併用すると最長55mmになります。しかし55mm(5.5cm)にしたとしても、ほとんどのレンズにとっては、ワーキングディスタンスより近すぎてピントが合わない領域になります。

そのため「Soratama 72」をレンズからもっと離すか、ワーキングディスタンスを短くする施策が必要です。

「Soratama 72」をもっと離す・・・
エクステンションチューブを足して「Soratama 72」をもっと離せばピントを合わせられるはずです。しかしこの場合、エクステンションチューブを長くしすぎると画面に筒が写りこむ可能性があります。

ワーキングディスタンスをもっと短くする・・・
接写リング(中間リング)と呼ばれるものをレンズとカメラの間に入れることでワーキングディスタンスを短くすることができます。

ただし接写リングは、自動絞りに対応しているものと、そうでないものがあり、絞りリングが無いレンズの場合、組み合わせによっては絞りを調整できず、事実上使用不能になる可能性があるので、注意が必要です。

・・・長々書きましたが、簡単に言いますと、「Soratama 72」を使いこなすためには、エクステンションチューブや接写リングが必要になり、大幅に出費が増える可能性があります(笑)。


私はニコンのマニュアルフォーカス用の接写リングを複数持っておりましたので、それらをいろいろ組み合わせて、下記のような構成に落ち着きました。

フルサイズ用セッティング
・Nikon オート接写リング PK-11A(8mm)+PK-13(27.5mm)
・NIkon 単焦点レンズ Ai Nikkor 35mm f/2.8
・Nikon 接写リング K4(10mm)+ K5(20mm)
・MARUMI ステップアップリング 52mm→72mm
・ZENJIX φ72mm 20mmスペーサー
・ZENJIX Soratama 72


レンズキャップは直接つけるとガラス玉に干渉しそう
でしたので、プロテクトフィルターもつけています。

今回、ニコンのKリングやPKリングという古いアクセサリーを使用しましたが、これらは最近のデジタル一眼レフを含むオートフォーカス時代のレンズやボディに取り付けると、電子接点を損傷する恐れがあります。ニコンユーザーの場合は、レンズとボディが適合するか、確認して使う必要があります。(詳しい説明は割愛します。)

あとマイクロフォーサーズでも使いたかったので、Kenkoのデジタル接写リングセットを買い足し、下記のようなセッティングにしました。

マイクロフォーサーズ用セッティング
・Kenko デジタル接写リング 10mm
・Panasonic ズームレンズ G VARIO 14-45mm(25mm付近)
・Nikon 接写リング K4(10mm)+ K5(20mm)
・MARUMI ステップアップリング 52mm→72mm
・ZENJIX φ72mm 20mmスペーサー
・ZENJIX Soratama 72

マイクロフォーサーズ用のレンズは絞りリングが無いものが多いのですが、この接写リングには電子接点があるため、絞りを電動で操作できて、非常に使い勝手が良いです。


Kenko デジタル接写リングセット(10mmと16mmのセット販売)

下記は、それぞれのセッティングで撮影したものです。

フルサイズにて撮影(画像は180度回転しています。)

マイクロフォーサーズにて撮影(画像は180度回転しています。)

ある程度絞り込まないと宙玉の輪郭がぼやけます。フルサイズよりマイクロフォーサーズの方が焦点距離が短く、被写界深度が深いため使い易いです。

最後にこの週末に撮った写真を数点載せておきます。


画像は180度回転しています。

180度回転せず。

180度回転せず。
そんなわけで宙玉レンズ面白いです!


2013年11月16日土曜日

ニコンDf を触ってきました

前回に続き、カメラの事を長々書きます。

今月初めにニコンから、Df という妙なカメラの発表がありました。
11月28日に発売予定とのことですが、今日、品川で体験イベントがありましたので、触りに行ってきました。


Nikon Df

私がDfについて「妙な」と書いたのは、最初にそのカメラの仕様を見たときにちょっと戸惑ったからです。今日はそのあたりを書いておきます。

まず、Dfの特徴をざっとまとめますと下記のとおりです。

・FXフォーマット(フルサイズ)の一眼レフで、センサーはフラグシップ機D4の性能を受け継いでいる。

・D4と比べるとかなりコンパクト(FXフォーマット最小最軽量)で、価格も抑えられている(ほぼ半額)。
・ノスタルジックなデザイン。ダイヤル操作を多く採用している。

さて、私が戸惑ったのは下記の2点です。

1.非Aiレンズへの対応

2.ダイヤルレイアウト


まず最初に「1.非Aiレンズへの対応」について書きます。
非Aiレンズというのは、1977年に登場したAiレンズ以前の古いレンズの事です。


非Aiレンズ


非Aiレンズは、一部を除き、Ai化したカメラに取り付けできません。レンズ情報を伝えるカプラー(露出計連動レバー)が干渉するため、取り付けられたとしても外せなくなる可能性があります。

私が最初に手に入れたニコンの体験談ですが、中古カメラ店で手に入れたボディ(F-801S)と、非Aiのレンズ(オートニッコール50mmF2)を店を出てから装着してみたところ外せなくなり、お店に駆け込んだら、「その組み合わせで付けちゃダメだよ~」と言われて落ち込んだことがありました。(笑)


今の常識から考えると、バカよけとか、ポカよけ、フールプルーフ(fool proof)という言葉があるように、メーカー側は、装着自体を不能にする措置をとるべきなのですが、歴史の長い「不変のFマウント」には、このような落とし穴がいくつかあります。


それでもニコンは、非AiレンズをAiに改造する対応を1997年まで行ってきましたし、F3やF4というフラグシップ機には、カプラーを可倒式にして、干渉を避け、非Aiレンズを装着できるような措置を取っていました。

その後は、F5、F6のようなフラグシップ機にも可倒式カプラーは無くなってしまいましたが、サービスセンターで改造してもらうことはできたそうで、なんとか非Aiレンズを使えるような対応を続けてきたのでした。ニコンのこのような姿勢が、昔からのファンに支持されているところでもあります。


このような経緯で、ニコンは少しずつ非Aiの対応を無くしていき、デジタル時代に入ってからは完全に対応を止めたわけです。最近のレンズカタログを見ても、ボディとレンズの対応表には、非Aiという言葉すら載らなくなったのですが、ここにきてDfが非Aiに対応する…ということを聞いて、私はすごく戸惑ったのです。(大歓迎ですけど)


Dfのマウント部。時計の1時~2時の位置にあるのが露出計連動レバー。


さらに今回驚いたのは、Dfは、非Aiレンズが装着できるだけではなく、開放測光ができるということです。機械的には、絞りリングと連動していなかったり、レンズの開放F値をボディに伝えることができないため、あらかじめレンズ情報を登録したり、撮影時に選択した絞り値をサブコマンドダイヤルで設定してあげる必要がありますが、F3やF4の時よりは操作性が良くなっているはずです。(今日の体験イベントでは試すことはできませんでした。)

F3やF4で非Aiレンズを装着した時にカメラ内蔵の露出計を使う場合、絞り決定後に絞り込みレバーを押して測光を行い、シャッタースピードを決定して、絞りを開放に戻し、ピント合わせを行う…という手順が必要だったと思いますが、Dfでは絞り込みレバーを押す必要が無くなったのと、開放測光により、より正確な露出を得られるようになったはずです。(…という事だと思うのですが、間違っていたらごめんなさい)


最後に、非Aiとか言われても、何の事だかさっぱりわからないよ、というニコンユーザーもいらっしゃると思いますので、歴史あるニコンFマウントレンズを、できるだけ大雑把に分類してみます。

①非Aiレンズ(1959年~1977年)
 オートニッコール、ニューニッコール

②Aiレンズ(1977年~2001年)※現在も販売中
 Ai、Ai-S、①のAi改造レンズ、AiAF、Dレンズ…など

③Gレンズ(2001年~現在)

普通はこんなに大雑把な分類はしないと思います(笑)。②はマニュアルフォーカス(MF)からオートフォーカス(AF)へ移行する時代も含んでいますので、MF用のレンズとAF用のレンズを分けて考える方が一般的かもしれません。しかし② はAF用レンズにも、絞りリングを備えているため、MF機でも問題無く使用できます。③になってからは、絞りリングが無くなったため、MF機では絞り操作ができなくなり、事実上使用不能になりました。

そんなわけで、Dfが対応する非Aiが、相当昔のレンズだという事がおわかりいただけたと思います。

ちなみに、非AiレンズのAi改造は下記に相談してみると良いでしょう。

 フォト工房キィートス
 http://photo-kiitos.co.jp/



次に「2.ダイヤルレイアウト」について

ニコンDf のセールスポイントの一つに、ダイヤル操作がありますが、私は露出補正ダイヤルのレイアウトに疑問を感じました。

ニコンが今(Df登場前)の操作に落ち着いたのは、フイルム時代のF5(1996年)あたり、正確にはその後のF100(1998年)の頃だと思います。しかしDfは、FM2など1970年代~1980年代前半のカメラを模したためか、使い勝手の面で後退している可能性があります。

DfのISO感度設定ダイヤルは、1970年代のカメラのように、カメラ左肩にあります。そしてISO感度設定ダイヤルの同心円上に露出補正ダイヤルを配置しています。つまり両方とも左手側です。今のカメラはニコンに限らず、露出補正の操作を右手で行うようになっていると思います。Dfのように左側に配置するレイアウトは、見た目は懐かしいですが、最近のカメラに慣れた人には、使いにくいはずです。


左肩にISO感度設定ダイヤルと露出補正ダイヤルがあります。

せっかく右手側にメインコマンドダイヤルとサブコマンドダイヤルがあるのですから、自動露出の際に、右手のコマンドダイヤルでも露出補正ができれば良かったのですが・・・。

MF時代のフイルムカメラは、京セラコンタックスのように左肩にシャッターダイヤルがあったり、オリンパスOMシリーズのようにレンズマウント部にシャッターダイヤルがあったりして、レイアウトは千差万別でした。しかし現在では、各社ともに、左手はレンズを保持しながら、ピントリングやズームリングを操作する必要があるため、露出に関係する操作は右手に任せる・・・というスタイルが一般化したと思います。

つまり右手シャッター周辺に撮影時によく使う機能が集中していた方が良く、カメラ左肩には、撮影時にあまり変更しない項目のみ配置するべきだと私は考えます。露出補正は、自動露出を使う場合、頻繁に使用する機能ですので、ニコンの前例で言うならば、F4のように右側に配置した方が良かったのではないでしょうか。

なんだか最後は批判っぽくなってしまいましたが、F3のようなカメラを使う時はマニュアル露出がメインで、露出補正ダイヤルなんてあっても使わなかったわけですから、そのようなユーザーはDfでもマニュアル露出で使う分、このレイアウトに何の不満も無いはずですね。

あと、Dfのシャッターダイヤルには「1/3 STEP」という項目があり、コマンドダイヤルで1/3段ずつ細かく設定することができます。


1/3STEPという項目があるシャッターダイヤル

そんなわけで、Aiレンズを使う場合は、昔風に絞りリングとシャッターダイヤルを使い、Gレンズを使う場合は、今風にメインコマンドダイヤルとサブコマンドダイヤルを使う・・・という感じで、使い分けができることは嬉しいですね。
Dfでは、D4に採用されているような、コマンドダイヤルの向きの変更や、露出補正インジケーターの+/-の表示方向の入れ替えができるようですので、ニコン以外のユーザーでも使いやすいはずです。

最後に、今日確認してわかったことをいくつか書いておきます。

・持った感じは意外と軽かった。
・露出ダイヤルは、ロックがかかる仕様。ロック解除ボタンを押しながら回します。
・ISOダイヤルもロックがかかる仕様。ロック解除ボタンを押しながら回します。
・露出モードダイヤルもロックがかかり、引っ張り上げながら回します。
・ドライブモードは右手側にあります。(他の機種では左手側にありますが、特別な意味があるのでしょうか。)
・レリーズは、シャターボタンに機械式のものを装着可能。ボディ側面に、アクセサリーターミナルもあります。(10ピンターミナルは無いです。)
・マウント部の露出計連動レバーは可倒式。F3やF4のようにロック解除ボタンは無いですが、不自由は無さそうです。指先でパタンと倒す感じ。

・・・最初に写真で見たときは厚ぼったい印象を持ちましたが、触ってみると小さい感じがして、デザインも違和感はありませんでした。

値段は安くないですけれど、良いカメラだと思います。ニコンにはこれからも高級なカメラに注力して欲しいです。


おわり

2013年11月8日金曜日

ソニーα7(フルサイズミラーレス)について

久しぶりにカメラの事を書きます。

この秋、カメラ関連のニュースで、私が一番気になったのは、来週ソニーから発売されるα7、α7Rの事です。

35mmフルサイズセンサー搭載のミラーレス一眼で、キャッチコピーには、「誰も作らなかったカメラ。」とあります。ちなみに35mmフルサイズというのは、フイルム時代の所謂ライカ判(24mm×36mm)と同等サイズの撮像素子の事です。

私にはこの「誰も作らなかった・・・」というキャッチコピーが、キヤノンやニコンに向けられているように思いました。キヤノンやニコンは、フルサイズミラーレスを作らない…と私は考えているからです。(そのあたりは追って考察していきます。)

ソニーはこれを機に、αシリーズとNEXシリーズをαブランドに統合するそうです。一眼レフタイプのαシリーズは、ミノルタ時代を含めますと、1985年から続くAマウントを採用したシステムです。一方のNEXシリーズは、3年前に登場したばかりの、APS-Cサイズのミラーレスに付けられた名称で、専用のEマウントが用意されました。

今回のα7とα7Rは、αという名称を持ちながら、Eマウントが採用されたわけですが、レンズはフルサイズ用に仕立て直しが必要になりました。

αブランドへの統合(つまりNEX名称の消滅)後も、AマウントとEマウントを共存させるわけですが、両者にフルサイズ対応レンズと、APS-Cサイズ専用レンズの2種ずつ存在することになったため、ボディとレンズの組み合わせは今までより複雑になりました。

表にまとめてみましたが、多分下記のような組み合わせで適合すると思います。



ソニーαシリーズのレンズ組み合わせ表



上記表の黄色部分は、フルサイズで撮影できる組み合わせで、橙色部分はAPS-Cサイズになる組み合わせです。

仮にソニーが今後APS-Cサイズを止めてフルサイズに統一した場合、上記表の橙色部分が消えて、「×」が一か所のみになるため、スッキリすると思うのは私だけでしょうか。

いずれにしても私の推測では、Eマウントのフルサイズミラーレスが登場したことにより、Aマウントが急速に廃れると考えています。フォーサーズ陣営が、センサーサイズを変えずにマイクロフォーサーズという新しいマウントでミラーレス化を推進した結果、ミラーありのフォーサーズマウントが衰退した事は記憶に新しいです。

現時点で、ソニーがフルサイズミラーレス一本化のシナリオを用意しているかはわかりませんが、市場の動向も含め、今後どのような展開になるか注目していきたいです。

さてフルサイズミラーレスのαですが、最上位機種のα7Rは、光学ローパスフィルターレスの約3,640万画素CMOSセンサー搭載というハイスペックなカメラになっています(α7は約2,430万画素)。ここまでくると高画素化はどこまで進むのやら…とため息が出てしまいます。紙に出力する事が最終目的でしたら1,000万画素程度でも十分役目を果たすと思うのですが、家電メーカーのソニーとしては、今後4Kテレビや8Kテレビを普及させたい思惑があるでしょうから、8Kテレビの解像度を見据えた3,000万画素クラスを一つの到達点と考えているかもしれません。

フルサイズで高画素、というだけでも十分魅力があるのですが、Eマウントなので、サードパーティー製のマウントアダプタ(※)を併用することにより、ライカのレンズや、各社一眼レフ用レンズをフルサイズで使えるはずですので、フイルム時代のレンズを持て余しているカメラファンにとっては、かなり楽しめるカメラになると思います。

(※)NEX時代のEマウント用アダプタは、フルサイズに対応していない可能性があるため、注意が必要です。


さて、ここからはαの話題から外れます。

先に書きましたが、私はキヤノンとニコンはフルサイズミラーレスを作らないと考えています。このブログを書いている間にも、ニコンがDfという妙なカメラを発表しましたが、やはりミラーレスではありませんでした。

仮にキヤノンとニコンがフルサイズミラーレスを作った場合、これから記す表のように、2社ともかなりいびつな構成になることがわかります。

まずはキヤノンでシミュレートしてみます。

キヤノンがフルサイズミラーレスを作った場合


現状のキヤノンですが、フルサイズのカメラに、APS-C用のEF-Sレンズを使用することはできません。フルサイズユーザーは下位のAPS-C用レンズを使う必要は無いという思想なのだと思います。仮にフルサイズミラーレスが登場した場合でも、APS-C用のレンズを使用不能にする可能性が高いので、上記表のように、ソニーの例よりも「×」が増えて、取り込めるユーザーが少なくなりそうです。

また、ソニーEマウントのように、既存のAPS-CサイズのEF-Mマウントをフルサイズ用に流用できるかは不明ですので、流用出来ない場合、新たにフルサイズミラーレス用のマウントを用意する事は難しいと思われます。ミラーレスの場合、フランジバックが短い専用レンズが必要でしょうから、EFマウントを採用することもあり得ないので、キヤノンからフルサイズミラーレスは出ない、というのが私の考えです。

次はニコンをシミュレートしてみます。

ニコンがフルサイズミラーレスを作った場合

ニコンの場合、フルサイズのFXフォーマットと、APS-CサイズのDXフォーマットは、マウントが共通ですので互換性があります。ただしカメラ、レンズ共にFXの組み合わせの時だけフルサイズになり、それ以外の場合はAPS-Cサイズになります。ニコンのこれらのマウントは「不変のFマウント」と呼ばれており、1959年のニコンFから同じ寸法のマウントを採用し続けています。しかし2011年に発売されたミラーレスのNikon1シリーズには、Fマウントとは別の小型マウントが用意されて、Nikon1専用のレンズをFマウントのカメラに装着出来ない仕様にしたのです。

仮にニコンがフルサイズミラーレスを作る場合、フランジバックの短い専用レンズを用意しても、Fマウントのカメラと互換性が無くなってしまうため、それらのフルサイズ用レンズに“FXフォーマット用”という名称を与えることはできません。


同様の理由で、Nikon1を作る際にAPS-Cサイズ(DXフォーマット)を採用できず、CXフォーマットという、新しいフォーマットを作ったのだと思います。APS-Cサイズを採用すれば、FマウントのDXフォーマットユーザーは混乱するため、そのような事態を回避する必要があったわけです。

そうなると、不変のFマウントを維持するために、一眼レフと同じフランジバックで、ミラーが無いだけのFXミラーレスを作れば良い。という案もあるかもしれませんが、そのようなカメラは一眼レフそのものを否定する事になりかねないので、多分作られることは無いでしょう。

そのようなカメラを作るくらいなら、往年のレンジファインダーカメラのデザインをベースにした趣味性の強いミラーレスを出した方が理にかなっていますし、喜ぶ人も多いのでは無いでしょうか。

長々と書いてきましたが、キヤノンとニコンには一眼レフで頑張ってもらうとして、今後、各社いろいろな形でフルサイズのデジカメを増やして欲しいです。そしてフルサイズのデジカメには、デジカメ黎明期の負の遺産とも言えるAPS-Cサイズを駆逐して欲しいのです。(私はAPSフイルムが嫌いだったせいもあり、APS-Cサイズのセンサーを好きになれません。)

あとパナソニックらマイクロフォーサーズ陣営が、フルサイズミラーレスの統一規格を提唱して、ソニーに対抗する…みたいな家電メーカー伝統の一戦を見てみたいです(笑)
おわり



2012年1月21日土曜日

ミラーレス一眼について

2012年1月21日

カメラの話。

ここ数年、ミラーレス一眼の人気があり、色々な機種が出そろってきました。最近の機種はコンパクトカメラ寄りのエントリー機と、高級感を持たせたハイエンド機という具合に、二分化してきたように見えます。


Panasonicは、2008年秋にEVF(液晶ビューファインダー)搭載機のLUMIX DMC-G1を発売し、後継機はG2を経て、現在のG3に至っています。G10のような廉価版の他に、上位派生としてDMC-GH1、GH2が発売されました。


EVFの無いタイプでは、DMC-GF1を皮切りに、GF2、GF3と続いています。上位派生として、DMC-GX1というモデルが2011年11月に発売されました。


Olympus は、2009年の夏にノスタルジックなデザインに往年のPENの名を冠した、PEN E-P1を発売して人気を博しました。そこからエントリー向けに、ライト(E-PL)シリーズを発売し、2011年の秋には、さらに下位のミニ(EP-M1)を発売しています。ラインアップは下位側に派生してきています。


以上は、マイクロフォーサーズ陣営です。マイクロフォーサーズ以外にも、SONY NEXシリーズ、PENTAX Q、Nikon 1シリーズ・・・と各社ミラーレス機に参入してきています。


●ミラーがある一眼レフと比べてミラーレスの長所は?


1.ボディやレンズを小型にできる。
2.ライブビューが有利。
3.フランジバックが短い。(後述します。)


・・・ということだと思います。


ライブビューでは、バリアングル(可動式)モニタによる、ローアングル撮影や、ハイアングルの撮影が容易になります。また、マニュアルフォーカス時には、ピント位置の拡大表示が出来て非常に便利です。下記のような使用例は、光学ファインダーより断然有利といえます。


Panasonic Lumix GH1
バリアングルモニタを使い、ピントあわせは、画面の
任意の場所を拡大してマニュアルで行うことが可能。

一眼レフタイプのカメラでも随分前からライブビューを取り入れていた機種もありましたが、構造上、ミラーを上げたり下げたり内部的にバタバタ動いたり、シャッターのタイムラグが大きい、バッテリーの消耗が激しいなど、ストレスを感じる事が多いです。



一眼レフタイプの場合、ミラーが上がっている間が、ミラーレスと同条件と言えます。しかしカメラの機種によっては、ミラーに透過式のものを使用して、ミラーを上げずにモニタするものがあったり、撮影用のセンサーとは別に、ライブビュー専用のセンサー用いて、実際に撮影される画像と異なるものをモニタするものもあります。


私個人の意見としては、一眼レフタイプでライブビューを行う・・・という事にメリットを感じません。構造上、ライブビューはミラーレスに任せる方が良いと思います。


一方一眼レフタイプは、光学ファインダーがしっかり出来ているものを選びたいです。これはフィルム時代からそうですが、軽量化や、コストダウンのため、多くのエントリー機が、ペンタプリズムでは無く、ペンタミラーを使用していたり、ファインダー視野率や、ファインダー倍率が小さいなど、ファインダー性能を犠牲にしているために厳密なピントあわせがしにくくなる可能性があります。さらにライブビューを入れるとなると、そもそもミラーや光学ファインダーは要らないのでは?と思ってしまいます。




●カメラの基本操作について


ミラーレスに限らず、カメラのおまかせモードに飽き足らない場合、自分で色々設定したくなるので、機能を呼び出す際に手間が少ないほうが良いです。

エントリー機の場合、大抵は機能系のボタンが少なく、メニューボタンからあれこれ項目を選択して十字キーや、ダイヤルで設定しなくてはならないため、操作が面倒になる場合が多いです。

カメラの基本操作として必要な機能は以下になります。どのカメラでも必要な機能なので、これらが使いやすくレイアウトされている事がカメラ選びの重要な要素だと思っています。

・撮影モード(露出に関するプログラムの選択)
・ドライブモード(連写や、セルフタイマーなどの選択)
・露出補正(明るさの自動補正を補う調整)
・ホワイトバランスの設定
・ストロボの設定
・AF方法の設定(動体予測などや、測距点の選択など)
・測光方式の設定
・ISO感度の設定

Panasonic LUMIX G1,G2,GH1,GH2あたりのEVF搭載機が従来のカメラの操作を踏襲しており、アナログ感があり、直感的に操作できるため好感が持てます。LUMIX G3になってから、GHシリーズと差別化するためか、初心者向けにシフトしたたため、操作系を端折りすぎた感じがします。タッチパネルをどう評価するかは、今のところはなんとも言えません。

OLYMPUS PENは、先述のPanasonicのEVF搭載機と比べ若干操作がしにくい印象を持っています。PanasonicのGFシリーズや、GX1と比較する必要があるかもしれません。



SONY NEXは独特でマニアックな操作を要求する印象があります。センサーサイズは、APS-Cサイズと大きい割りに、カメラのボディが小さいのが特徴です。一眼レフタイプで上位のアルファシリーズとの住み分けがありますので、エントリー機の位置付けでしょうが、スペックは高いです。



●センサーサイズについて
ちょっとこだわって写真を撮りたいなら、センサーサイズは、なるべく大きいものを選んだ方がが良いです。一番の理由は、背景のボケ味が大きいことだと思います。

背景をぼかした方が、主題が引き立ちます。反対にボケを減らして、ピントに奥行きを持たせたい場合は、絞りを絞り込めば良いです。ボケを大きくするためには、高価な大口径レンズや、望遠レンズ、マクロレンズを利用する必要がありますが、それ以前に大きなセンサーサイズを選ぶということも重要です。

背景のボケの大きさは、下記の条件で変わります。


1.焦点距離が短いレンズより、長いレンズの方がボケが大きい。(より望遠の方がボケが大きい。)


2.絞り込むより、絞りを開けた方がボケが大きい。


3.被写体に寄って撮影した方がボケが大きい。

センサーサイズが小さいと、同じ画角を得ようとした場合、焦点距離が短くなるため、同じ画角では、センサーサイズが大きいカメラよりボケが少なくなります。


ミラーレス機のセンサーサイズの比較は、以下のとおりです。
SONY NEX>マイクロフォーサーズ(パナソニック、オリンパス)> Nikon 1> Pentax Q

以下、マイクロフォーサーズ、APS-Cサイズ、フルサイズという順で、同じ画角と絞りで背景のボケ具合を比較してみましょう。



マイクロフォーサーズ 
35mm換算で50mm付近、絞りはf5.6

APS-Cサイズ
35mm換算で50mm付近、絞りはf5.6


35mmフルサイズ機
50mm 絞りはf5.6


以上の作例で、センサーサイズの大きさの違いによるボケ味の違いをお分かりいただけましたでしょうか。センサーサイズが小さいと、大口径レンズを使って絞りを開放にしても、かつてのフィルム一眼レフで得たようなボケ味は得られにくいのです。


●ミラーレスで魅力的なカメラは?


ボケ味はさておき、センサーサイズは、マイクロフォーサーズがちょうど良いと思います。


個人的には、Panasonic LUMIX GH2が興味深いです(GH1を愛用しています)。しかしGH2も発売から時間が経っているため、購入をするなら、後継機の登場を待ったほうが良いかもしれません。

シャッターを押すだけのカメラを考える場合、センサーサイズ云々は抜きにして、Nikon 1が良いと感じました。AF性能、連写性能が優れています。

レンズ交換式では無いものでは、高級コンパクトの部類になりますが、RICHO GRシリーズや、FUJI X10、X100も良いです。

●最後に


ミラーレス機の特徴として挙げた、フランジバックが短いということも触れておきましょう。フランジバックとは、撮像素子(フィルム)からレンズマウント面の距離ですが、これが短いということは、マウントアダプタ介してフランジバックを合わせてあげれば、往年の一眼レフレンズでもピント合わせができます。

※なお、絞りリングが無いレンズでは、絞りの操作ができませんので、絞りリングがある古いマニュアルフォーカス用のレンズが適します。


ミラーレス機の場合、液晶でモニタするため、開放F値が暗いレンズでもストレス無く使用できる点も大きな魅力です。

マイクロフォーサーズ用のアダプタは、サードパーティ製がほとんどですが、国内外含め色々なメーカーからでています。ピント合わせはもちろんマニュアルになります。フィルム時代からの一眼レフユーザーの場合、このあたりにミラーレスの付加価値を見出している方も多いのではないでしょうか。





Olympus E-PL1  + Leitz Elmar f=5cm 1:3.5



 


Panasonic Lumix G1 + Canon TS35mm/2.8


メーカーには、EVF搭載機で、操作系のしっかりした、堅牢なミラーレス機を作って欲しいです。

(おわり)


2011年7月10日日曜日

写真のはじまり

昔から旅好きでしたが、最初の海外旅行がユーラシア大陸横断という少々大掛かりな旅だったにも関わらず、その旅へはカメラを持っていきませんでした。


写真を撮るという事自体に魅力を感じていないどころか、写真を撮ることがかっこ悪いとさえ思っていたかもしれません。「心の中にシャッターがある」とか、「記録より記憶」…なんて思っていましたから。まだ二十歳でしたからね。


今思えば、このときの旅の写真を撮っておけば良かったと少し後悔しています。イランのアルゲ・バムは2003年の大地震で崩壊してしまいましたから。二十歳の時は、来たければまた来れる、と思っていて、今しかできない…と念じることは、その後の自分の可能性を潰しかねないと本気で考えていました。でもまた来た時に同じ景色や、同じ出会いがあるわけでは無いことを少しずつ知りました。


そうこうしているうちに、今ではすっかり写真三昧で、写真が生活の中心になってしまいました。結局写真にのめりこむきっかけもやはり旅でした。


ユーラシア大陸横断の2年後、新宿から本州最北端の大間岬まで900km徒歩の旅をしたときに、コンビニエンスストアで、2,000円ちょっとのトイカメラを買いました。当時はトイカメラという括りは無かった気がしますが、要するに、レンズ付きフィルムの使い捨てでは無いもの・・・という位置づけで安価なプレスチックレンズのカメラが、コンビニエンスストアに置かれていました。徒歩の旅では、そのカメラでスナップを撮りました。


徒歩の旅を終えてからは、1ヶ月も経たないうちに、アジアを7~8ヶ月旅したのですが、その時にそのカメラを持って出かけたのです。


この時の旅は、内容も格別でしたが、撮った写真の出来も素晴らしかったので、次の北海道オートバイツーリングの旅では、親の一眼レフを借り、道中三脚やフィルタなどのアクセサリを購入しながら、カメラ雑誌などで、撮影のノウハウを勉強しながら、夢中になって写真を撮ったのでした。


それらの写真の一部をご紹介します。

中国の西の方、新疆ウイグル自治区。ここからパキスタンへ抜けました。トイカメラで撮影。

ミャンマー、インレー湖。トイカメラで撮影。

北海道 美瑛にて。親から借りた一眼レフは、オートフォーカスで一時代を築いたミノルタα-7000(1985年発売)。

北海道 美瑛にて

北海道 落石岬にて

北海道 神の子池にて

ミノルタ α-7000(1985年発売)