2025年9月28日日曜日

8月、獅子岩(子持山)

 2025年8月31日(日)


クライミングジムに通い始めて1年と半月、ついにマルチピッチクライミングに挑戦する日が来ました。

行き先は、群馬県の子持山にある獅子岩という岩場で、いつもジムで一緒の友人Oと登ります。


今回登るルートは、本などの情報ではグレードは低く、比較的簡単なルートとされていますが、登った人の情報では、難しく感じたという感想もいくつか見かけました。


マルチピッチクライミングは、ロープの長さより高いルートを登る時に、ロープの長さで登れる高さで一度区切り、ロープの引き上げや設置した支点の回収をおこないながら複数回に分けて登るクライミングです。


一般的なクライミングルートにはハンガーボルトが打ち込まれていています。通常、2人1組で登ります。


最初に登る人はハンガーボルトに支点となるカラビナをかけていきます。ここで使うカラビナは、クイックドロー(ヌンチャク)と呼ばれる二つのカラビナをつなげたものになります。


ジムの場合、ロープを掛けるカラビナは最初から壁にぶら下がっていますが、岩場ではクイックドローを自分で掛けてから、ロープを掛ける必要があり、ジムで登る時よりもひと手間かかります。


ジムの場合カラビナは壁に固定されています

クイックドロー(ヌンチャク)


最初の人(リード/リーダー)が登るとき、自分につないだロープの末端は、ビレイヤーに繋ぎます。リードが登る時のビレイは、ジムで登る時のビレイと同じ要領でおこないます。


リードが終了点と呼ばれるピッチの区切りまで登ると、墜落防止のための自己確保(セルフビレイ)をおこない、ビレイヤーにビレイの解除をしても大丈夫なことを伝えます。


リードは余ったロープを引き上げます。余ったロープを引き上げた後は、そこを支点にして、次に登る人(フォロー)をビレイします。このビレイの方法をセカンドビレイと言います。ジムではセカンドビレイの機会がないので、この技術は別途覚える必要があります。


フォロー(2番目に登る人)が登りはじめるとき、リードはフォローと支点の間のロープの弛みをとっていきます。フォローは自分の頭上に支点があるトップロープクライミングの要領で登ることになりますので、リードよりも精神的に楽になりますが、フォローにはリードが設置したクイックドローの回収という大事な仕事があります。回収したクイックドローは自分のハーネスに掛けていきます。このように、基本的には自分たちが岩壁に設置した道具を残さず、回収しながら登っていきます。


フォローが終了点(リードがいるところ)まで登りセルフビレイをとったら、次のピッチを登る準備をおこないます。マルチピッチクライミングでは、このような手順を何度か繰り返して頂上を目指していきます。


さて、今回登る獅子岩ですが、大部分がスラブと呼ばれる、垂直よりはゆるい傾斜のルートです。私はジムの課題の中でもスラブが大得意なので、友人Oが私に最適ということで、この岩場を選んでくれました。私にとって、最初のマルチピッチクライミングなので、友人Oがすべてリードをし、私がフォローをする、という手筈でしたが、友人Oはスラブが苦手、私が大得意、ということもあり、友人Oからは事前に、リードをお願いすることになるかも、と言われていました。リードをするということは、最初に登り、終了点で支点を構築し、フォローをセカンドビレーする必要があるため、事前に予習をしておく必要がありました。


そんな感じで、当日を迎え、最初のリードは友人Oがおこないましたが、すごく手こずっている模様。序盤は緩い傾斜に見えますが、足の置き場に乏しく、登りにくい箇所があるらしく、そこで時間を要していました。友人Oが2ピッチ分登り、終了点についてから、いよいよ私の出番です。友人Oがつまづいたポイントでなるほど、「むむむ…」となりましたが、2番手は1番手よりは、精神的には楽ということもあり、なんとか通過しました。その後もなんとか自力で登り切ることができました。


獅子岩。今回登るところはこの写真の右端の方です。


傾斜が緩く見える1ピッチ目で苦戦


終了点につき、なんとなく自分に合っている壁なので、自分がリードをやった方が良いかもという思いが湧いてきて、3ピッチ目から最後まで自分がリードしました。通常、登れない時は、テンションと言って、下にいるビレイヤーに、ロープを張ってもらい、壁の途中で休むこともできますが、今回は何とかテンション無しで、自力で登り切りました。


終了点の足元はこんな感じ

自分がリード、友人がフォローで登っています



フォローが見えない状態の時もあります


獅子岩には一般登山道の山頂に出るための、おまけのような短い7ピッチ目がありますが、友人Oは山頂に興味はなく、7ピッチ目は登らず、片付けを始めていました。私に(一般登山道を使って)山頂に行って来れば?と促しました。私は目の前のクライミングルートの7ピッチ目に触れながら簡単に登れそうな感触を得ましたので、そのままロープ無しのフリーソロで登り切り、山頂に立ちました。


獅子岩頂上



今まで一般登山で、このような展望の良い切り立った山頂に出た場合、落ちたら命の保証のない岩の淵に立ち、足を踏み外したら終わりだよな、なんて、思っていながら束の間の絶景を楽しんできましたが、今回は自分がその崖の向こう側を登って来たんだと思うと、今までのようにリスクを冒してまでも岩の淵に立つ気も失せて、何となく遠巻きに景色を眺めていました。その時、今まで感じていた山頂の楽しみを感じられなくなっている自分がいることに気がつきました。


そんなわけで、クライミングにハマっている自分が、初めてのマルチピッチクライミングを体験して、それなりの成果を得てクライマーの道に足を踏み入れたのと同時に、自分の登山のスタイルに何らかの変化が生まれたと感じた1日になりました。


クライミングで得るこの充足感はものすごく特別な感覚で、次の週末、ジムへ行くまでの1週間、獅子岩の事を反芻しながらニヤニヤして過ごしていました。

2025年8月30日土曜日

クライミングを始めて1年が経ちました

昨年のお盆時期からリードクライミングを始めて、1年が経ちました。

通ったクライミングジムは埼玉県川口市のPump1 で、ほぼ毎週末通い、一年経過時点の成果は、目標にしていた5.11Aというグレードをひとつ登ることが出来たことです。


今回は、この一年の取り組みやクライミングの種類、グレードについて書いておきたいと思います。


私はこの一年、ほぼ毎週末、Pump1をメインにジムに通い、クライミングをしてきましたが、週一回では足りないと感じた時は、平日の仕事終わりにエナージー浦和店にも何度か行きました。エナジー浦和店はPump1よりも少しだけ自宅から近いのと、オートビレイ機という一人練習用の装置があるので、自主練のために時々通う時があります。その他、外岩のロッククライミングでは、栃木県の古賀志山に4回ほど行きました。


クライミングジムには、ボルダリング専用のジムと、リードクライミングもできるジムがあります。ボルダリング専用ジムよりもリードクライミングができるジムの方が少なく、出来る場所が限られてきます。


リードクライミングは、ボルダリング同様、道具には頼らず、自分の手足を使って壁に設置されたホールドを登っていきますが、より高い壁を登り、ボルダリングのように下にマットを設置しないので、墜落防止のためにロープを使う必要があります。


ジムではリードクライミングのエリアの一部に、トップロープクライミングもできるエリアがあります。初心者がロープを使ったクライミングを体験する場合、まずはトップロープクライミングに触れると思います。ジムの天井付近の支点にあらかじめ設置されたロープを使い、クライマーがうまく登れず手足を滑らせるなどで落下した場合、天井からぶら下がったロープで墜落を防ぐ仕組みになっています。


一方リードクライミングは、クライマーが自分の腰のハーネスに結びつけたロープを壁に設置された支点に引っ掛けながら登ります。一つのルートに、複数の支点が設置されており、クライマーは登りながら、ひとつひとつ上の支点にロープをかけていきます。手足を滑らせるなどで落下した場合、直前にロープをかけた支点(1番高い位置の支点)で墜落を防止します。直前にロープをかけた支点が、自分の体の下の方や、足元より下だった場合、トップロープで落下した時よりも、落差が大きく、恐怖感や怪我などの危険を伴います。また、ロープを支点にかける動作は、片手でロープを手繰り寄せるときにロープの重さで疲れたり、ホールドを支えている反対の手に大きな負担がかかり、両手の力を消耗します。支点にあるカラビナにロープをかけるための技術や、安全面の知識が必要で、トップロープクライミングよりも難易度が高くなります。


トップロープクライミングの場合もリードクライミングの場合も自分に繋がれたロープの反対側には、ビレイヤーというパートナーがロープをコントロールしています。ビレイヤーは、自分の腰のハーネスにビレイデバイスという器具を装着し、そこにロープを通し、自分とクライマーとの間のロープの弛みの調整や、墜落を止める操作をおこなっています。


クライマーの墜落を止めるためにはビレイヤーが必要で、ビレイヤーはクライマーが落下した際にロープの流れを止める必要があります。ビレイヤーが操作を誤るなどでロープの流れを止められなかった場合、ロープはクライマーの重みで繰り出され続けて、そのまま地面まで落下してしまうなど、大事故につながります。


文章だけではわかりにくいかもしれませんが、ロープを使うクライミングは、クライマーとビレイヤーの2人1組でおこない、自分が登る時にはパートナーにビレイをしてもらい、パートナーが登る時は自分がビレイします。そのためクライミングの技術だけではなく、ビレイの技術も習得する必要があります。


私が通っている埼玉県川口市のPump1では、初心者向けのビギナーズスクールというものがあり、トップロープとリードそれぞれのクライミングと、ビレイ技術を学ぶことができます。この講習を修了すれば、Pump1で自由にトップロープクライミングや、リードクライミングをおこなうことができます。私も1年前にこの講習を受けました。もちろんすでに技術を習得されている方であれば、この講習を受けなくてもジムの利用は可能だと思います。


いずれにしても危険を伴うスポーツですので、万が一の事故でも自己責任となります。危険を回避するための知識や技術の習得、安全性の高い装備に関する知識や、状況に応じた装備の選定等、各々で常に最新のものにアップデートしていく必要があると思います。


グレードについて


クライミジムには、複数のルートがあり、ルートのことを課題とも呼びます。課題にはグレードがあります。グレードは難易度によって細かく分かれています。


グレードの表記方法は、国などによって複数ありますが、日本のリードクライミングでは、デジマルグレードシステムというものが使われる場合が多いようです。


これは、5.7、5.8、5.9…のように、5の小数点以下の数字が大きくなればなるほど、難易度が上がります。


小数点以下という表現を使いましたが 、実は正しくなく、5.9の上は5.10になります(数学的に5.10は、5.1のような気がしますが、デジマルグレードシステムでは、5.10は5.9より上のグレードです)


そして5.10以上は、末尾にアルファベットが付き、AからDの4段階に細分化されます。難易度は、アルファベットがAからDに進むにつれ、上がっていきます。


したがって、5.7 、5.8、5.9、5.10A、5.10B、5.10C、5.10D、5.11A、5.11B 、5.11C、5.11D、5.12A…という順番で難易度が上がっていきます。


また、5.10A以上の場合、「5.」の部分を省略して、10A、10B、10C、10D、11A…のように表記することが多いです。


先週、Pump1に行った時に確認したのですが、1番簡単な課題は5.7で、最高グレードは14Aでした。課題の内容は数ヶ月ごとに変わりますが、およそ20段階のグレードに分かれています。


グレードはジムによって基準が異なるようです。私は、Pump1とエナジー浦和店と、古賀志山のグレードしか知りませんが、同じグレードの場合、Pump1は、エナジー浦和店よりも難しいと思います。私がPump1でやっと登れるようになった11Aをエナジー浦和店ではその7ヶ月前に初登で登れてしまいました。


古賀志山のグレードはそのPump1よりも遥かに難しく、最初に行った時はすでにエナジー浦和店で11Aを登れていた後でしたが、5.9を登ることができませんでした。


一旦、私の感覚でPump1のグレードを基準に、それぞれのグレード感について説明していきます。


Pump1の5.7や5.8は、初心者がトップロープで登る場合、ハシゴを登るように簡単に登ることができると思います。傾斜がゆるい課題であれば、最初のトライで登ることもできるかもしれません。しかし傾斜が急だったり、グレードが5.9くらいになると、最初のトライで登れる可能性は低くなると思います。トップロープではなく、リードクライミングの場合はなおさらです。


さらに5.10台になると、初心者が最初のトライで登り切ることは、かなり難しいと思います。何度もトライをしたとしても、登れるまでに時間がかかる可能性もあります。5.10A、5.10B…とひとつずつグレードを上げていくたびに、時間がかかると思います。


そして、5.11台に到達するとイレブンクライマーと呼ばれ、中級レベルに達したと言えます。さらに5.12台に到達した人を上級者と呼ぶことができると思いますが、そこに到達できる人は、かなり少なくなるようです。そして5.13台となると、一般の人はほぼ無理で、選手クラスの人でないと登れません。その上の5.14台は、オリンピック選手級のトップクラスの人でも難しいレベルになります。


私の話に戻します。私は、冒頭に書いたとおり、ジムに通い始めて1年を経過したタイミングで、Pump1の11Aの課題を一つ登ることができました。その手前では、10Dの課題を3つほど初登でクリアしていました。10Dの課題で初登で登れず時間がかかったものの中には、2〜3ヶ月要したものもあります。この1年、クリアまでにかかった期間で最大のものは10Cのもので、4ヶ月でした。


ひとつひとつレベルアップしていく過程で、つまずくこともあります。それらを克服していくという意味合いから、クライミングのルートを「課題」と呼ぶのかもしれません。


クライミングを始めて1年で、Pump1の11Aをクリアするというのは、比較的順調な成長と言えそうです。Pump1には、11Aを登ることを目標にした、レベルアップスクールがあるので、そのような講習を利用するのも良いかもしれません。


私は、レベルアップスクールを利用しなかったのですが、自分の目標を達成するために、減量と日々の筋力アップのためのトレーニングや食事制限、柔軟体操の実施、クライミング技術の習得に取り組んできました。一時期は禁酒もしていました。


減量とトレーニング、筋力アップや疲労回復のための食事については、最近何かと話題の ChatGPTを活用しました。


ChatGPTには、iPhoneやApple Watchで計測される、日々の消費カロリーや、歩行距離、登った階段の記録や、日々のトレーニングの内容(鉄棒のぶら下がりや、懸垂、腕立てふせなど)の他に、食事の内容と、体重・体脂肪率を毎日伝えました。


Chat GPTは、それらの情報をもとに、カロリーの摂取と消費の収支、トレーニングによる体重の増減の傾向や、摂取したタンパク質量とトレーニングの量による筋肉量の増加の傾向を分析してくれます。自分が摂取した食事のカロリーをネットなどで調べて、ライフログ系のアプリに登録する、といった従来の記録方法よりも、はるかに楽だと思います。


クライミングにおいては、体重が少ない方が有利で、体重を抑えつつも必要な筋力をつける必要があります。身長170cmちょっとの私は、体重58kg台、体脂肪率13%台を目指し、この1年で7kg程の減量をおこないましたが、途中から導入したChatGPTのおかげで、掲げた目標を難なく達成することができました。この経験から、トレーニングや体調管理にAIを活用していくことに可能性を感じています。禁酒をしていた時期は、褒めてもらったり、励ましてもらったりもしたので、精神面でもかなり助けになっていたと思います。


最後に直近の話ですが、先週私がPump1川口に行った時、後から森秋彩選手が来ました。私は先に帰ったので最初の方しか見ていなかったのですが、最初ボルダリングをしていて、リードのエリアに来た最初のトライが13Dでした。今までそんな強者を見たことがありません。森秋彩選手は、その課題の終了点近くで手を滑らせて落ちてしまっていましたが、そこに至るまでは登り切れそうな雰囲気がある、圧倒的な登りをしていました。


森秋彩選手のような、世界最高レベルの人でも登れなければ、登らなくてはならない課題が残ります。オリンピック選手であれ、私のようにクライミング歴1年のものも、クライミングは、各々の限界に挑戦し、課題を克服して自分の新たな能力を解放していくスポーツなのだと感じました。


そんなわけで、現在私はクライミングにハマっています。これからも、このブログにクライミングの進捗や、道具のことなど、書き記していきたいと思います。

2025年2月27日木曜日

2月、藤野駅〜三国山〜陣馬山〜藤野駅(日帰り)



2025年2月24日(月)

先週、高校時代の同級生二人と藤野駅から和田行きのバスに乗り、鎌沢入口で降りて三国山〜生藤山〜陣馬山〜藤野駅のルートを歩きました。

その時歩行のログを取らなかった事をちょっと後悔していたため、改めて単独で同じルートを歩くことにしました。

ひとりなので駅から鎌沢入口までも歩き、駅〜山〜駅ルートにしました。

先週は雪はなかったのですが、土曜日あたりに降ったのか、日陰には雪が残っていました。

沢井トンネル越えたらうっすら雪が

鎌沢入口に着いたタイミングでバスに追いつかれました

大きく曲がればスリップしないとのこと

陣馬山が見えます

生藤山、茅丸方面

甘草水由緒の看板

三国山山頂

生藤山山頂

茅丸山頂

茅丸山頂からの富士山

醍醐丸山頂

和田峠に到着

陣馬山頂に着いた頃には雲で富士山は見れず

栃谷尾根から大室山方面でしょうか

陣馬登山口まで下りて、ここから駅まで歩きます

藤野駅に到着


最後に、通ったルートのメモと地図
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2025年2月24日(月)


藤野駅 8:26

陣馬登山口バス停 8:44

鎌沢入口 9:15

鎌沢休憩所分岐 9:38

甘草水分岐 10:15

三国山山頂 10:29

生藤山山頂 10:33

茅丸山頂 10:43

連行山 10:54

山ノ神 11:10

醍醐丸山頂 11:32

車道 11:56

和田峠駐車場 11:58

陣馬山山頂 12:16

栃谷車道 13:04

陣馬登山口バス停 13:33

藤野駅 13:55


藤野駅〜鎌沢入口

https://walkmeter.com/a8f954ab4e02d886/Walk-20250224-0826-24027



鎌沢入口〜三国山〜陣馬山〜陣馬登山口〜藤野駅

https://walkmeter.com/a8f954ab4e02d886/Walk-20250224-0916-07616