2011年6月18日土曜日

装備について3(テント)

■まずは思い出話から
10代後半、原付免許と自動二輪免許を取得して日帰りでツーリングをするようになりましたが、やがてテント泊のツーリングを計画するようになりました。


最初に購入したのはダンロップのテントで、一人用のR-107というモデルでした。当時のバイク雑誌に広告が載っていたのかもしれません。今から20年近くも前の話です。


ダンロップは、今もテントを作っているようですが、R-107のような形状を引き継ぐモデルは無いようです。R-107と同形状のものに、モンベルのムーンライト1型があり、こちらは今も売られているロングセラー製品です。


これらの構造は、梁のような1本のメインフレームがテント中心を走り、梁からテントの四隅に向かって、4本のフレームを連結させます。四つん這いの格好で屋根を支える・・・・という形状です。切妻屋根みたいな感じですね。


このモデルは、入り口付近に座る事を前提にしているようで、入り口付近の天井は、高さが確保されていますが、足元に向かって天井が低くなるように設計されています。梁は前方、入り口側に余分にせり出しているため、フライシート(※)で覆うと、ちょっとした前室ができます。ここで簡単な調理をしたり(要換気!)、就寝時には、靴などを雨に濡らすことなく置くことができるわけです。


※フライシート・・・2重構造のテントの場合、中は通気性の良い素材を使うことが多く、外には耐水性の素材を使用したフライシートというものをかぶせます。


ダンロップR-107は、その見た目が原因で、北海道ツーリングの仲間からは、「棺桶だ」と揶揄されていましたが、性能としては、雨に強く、足元側にベンチレーション用の窓が付いているため、通気性もそこそこ、それなりにコンパクトだったこともあり、使いやすいテントでした。

ダンロップ R-107
庇のようにフライシートがせり出した前室が雨の日も使いやすい。

R-107のフライシートをはずして後方から撮った図。
足元側では、頭側(入口側)よりも幅は狭く、高さは低くなる。

ダンロップR-107は、ツーリングでよく使用しましたが、900kmの歩きの旅を計画した際には、重量と大きさの問題で選考の対象から外しました。その時購入したのが、アライテントのNewツェルトと、ライズ1でした。


ツェルトとは、緊急避難用に多目的につかえるシートの総称で、大雑把に言うとただの1枚のシートです。テントとして使用する場合、自立しないため、ポールと張り縄を使い、シートを吊って張る必要があります。


ライズ1(商品名)は、テントというよりは、緊急避難用の簡素化された自立式シェルターという位置づけで、雨や浸水、結露に対する対策はなされていません。見た目は、シングルウォール(2重構造でない)テントです。


ビール350mlで大きさを比較
左(黄色)がNewツェルト(625g)とポール(225g)、ペグ(最低8本必要)
右(茶色)がライズ1(690g)、ポール(440g)
注)いずれも現行品はもっと軽いです。特にツェルトは半分以下の重量のものがあります。

設営状態。
奥がアライ ライズ1
手前がアライ Newツェルトにmont-bellのツェルトフライを被せたところ。

最終的に歩きの旅ではライズ1を選択しましたが、真夏だったこともあり、まったく問題は発生しませんでした。平地の旅でしたので、雨が降った時には、雨をしのげる場所を探して設営できることも計算して、耐水性能を求めず、軽量化を優先させる判断をしたわけです。


最近始めた登山で、雨対策は必要と痛感したため、アライテントのエアライズ1を購入しました。


左がライズ1(1995年購入)
右がエアライズ1(2011年購入)


■唐突に結論
たった今書いたとおり、アライテントのエアライズ1が良いでしょう。「なんだ無難すぎるぞ」という非難があるかもしれません。(笑)


構造は、2本のポールを対角線上に弓なりに配置するドーム型テントで、フライシート付きのダブルウォール(2重構造)です。


■それでも検討してみる
唐突に結論を出してしまいましたが、アライテントとモンベルの主なモデルで、重量と価格を比較してみましょう。
※あくまでも一人用テントの話で、厳冬期、極地用は除外します。
※重量は、付属品やスタッフバックをどう考えるかにもより、厳密な比較は困難ですので、下記は私の主観に基づく大雑把な分類としてお考えください。


・2.5kg以内クラス・・・2万円弱
モンベル:クロノスドーム1型、ムーンライト1型

・2.0kg以内クラス・・・3万円台に突入。
モンベル:ステラリッジテント1型(※2011年モデル以前)

・1.5kg以内クラス・・・3万円~6万円
モンベル:X-TREK マイティードーム1型(シングルウォール)、ステラリッジテント1型(※2012年モデル)
アライテント:Xライズ1(シングルウォール)、エアライズ1、トレックライズ0


・1.0kg以内クラス・・・ツェルト(1万円前後)、シェルター(2.5~3.5万円)。
モンベル:
U.L.ツェルト・・・240g+ポール&張り縄250g
ライトツェルト・・・370g+ポール&張り縄250g
U.L.ドームシェルター1型(シングルウォール)・・・780g
アライテント:
スーパーライトツェルト・・・280g+ポール&張り縄225g
ライズ1(シングルウォール)・・・980g


■最後に
シングルウォールは、雨に強くないためシェルターと考えて良いですが、中には耐水&通気性に優れた高級素材を使っているものもあります。それらは軽量化を目的とした場合には有利ですが、高価で選択肢も少ないので、まずは一般的なダブルウォール(2重構造)で検討すると良いでしょう。


自分で背負う旅ならば、ダブルウォールの場合でも1.5kg以内を目指したいですね。値段もまあまあで、オプションの豊富なアライテントのエアライズ1がやはりベストでしょう。(※モンベルのステラリッジテント1型は2012年モデルは、出入り口の位置など、仕様が変わり、400g程軽くなったようです。エアライズ1と同程度になった考えて良いです。)


自転車やオートバイなら、モンベルのクロノスドーム1型や、ムーンライト1型が手ごろで良いかもしれません。


超軽量でストイックな方向を目指すのであれば、シェルターを検討してみると良いでしょう。MSR、Black Diamond、GoLiteなど、海外ブランドも選択肢に加えると良いかもしれません。(多湿な日本に合うかどうかは要検討です。)


ツェルトやシェルターで自立式でないものは、ポールや張り縄に加え、ペグの重量や本数も考える必要があります。最終的に、ポールやペグの代わりは、トレッキングポールを利用したり、木や石ころなどで現地調達・・・という方法に行き着くのかもしれません。


屋根さえあれば眠れる・・・というのであれば、小型軽量のタープを探すことになるでしょう。


■おまけ
Wild-1というアウトドアショップのオリジナルテントに、トレックドーム2というものがあります。価格はなんと9,800円!(2011年6月時点)。形状は、アライテントのエアライズシリーズのようなダブルウォールタイプのドームテントで、内容は悪くないです。120cm幅で一応二人用という設定。ペグと張り縄を含まない重さが1,970gで、総重量は2,270gとのこと。


以下、友人に貸した時の使用レポート。


7月末の雲取山で雷雨に遭いましたが、浸水しなかった…という実績があります。通気性を考慮してか、前後に入り口があるため、寒さには弱いかもしれません。


9月半ばの北岳でも使用しました。日中天気が良く、気温は高めでしたので、寒さは気になりませんでした(寝袋はモンベルのU.L.スーパースパイラルダウンハガー#5を使用)。夜、強風に遭いましたが、なんとか耐えました。


しかし使用にあたっては過信は禁物でしょう。安い物ですので固体差があるかもしれません。実は我々が使用したものも、設置の際にフレームが少し曲がってしまいましたが、そのまま使用しています。リペア用のフレームが付属されていなかった気がするので、他社製のリペア用フレームを探すなど、万が一に備えた対策が必要かもしれません。

Wild-1オリジナル Treck Dome2


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